『人事労務戦略』構築専門のコンサルタント 株式会社サムライズ

0798-36-7188

無料メルマガ登録

今週のコラム、各種ご案内をお届け中です。ぜひ、ご登録ください。

登録解除

No.8話:若い従業員が短期間で退職しないためにはどうすればよいでしょうか。

「最近、若い人を雇っても長続きせず、すぐに辞めてしまいます。どうすればいいでしょうか。」というご相談をいただきます。実はこの手の相談が私のコンサルティングのベスト3に入りますから、ほとんどの企業においても人事労務の「お悩みベスト3」に入ってくるのではないでしょうか。

人材が定着しないことは、当然人手不足が慢性的になっているので事業運営上、大きな痛手です。また、従業員を面接採用する費用も大きくなり損益への影響も深刻になり無視できない問題です。

このような事態は企業としては「どうにかしたい」問題です。問題には原因や背景があるわけですから、そこを探るべく私どもは「何故だと思いますか。」と伺います。そのときにありがちな答えが「最近の若い人はこらえ性がないですからね。」というものです。確かにこの理由も考えられますが、最近の若い労働者の性向に原因を求めると「社会の移り変わり」や「家庭の教育」といった一企業ではどうしようのないことになり、結局、「最近の若い人の性向」に企業があわせるしかなくなります。もちろん、これもありですが「若い従業員の定着」にむけた解決にはつながらないですね。

では、この問題の解決につなげるにはどうしたらよいかですが、企業サイドに必要なことは最近の若い従業員が何故、長続きしないかの原因を「彼ら」だけに求めるのではなく、「自社にあるのではないか」という視点を持つということです。簡単な話、自社でその原因が浮き彫りにされれば、その原因を解消すれば問題は解決することになります。実はこの切り口でこの問題を見ていない経営者が多いのです。

ある事例ですが、「ウチの会社は賃金・賞与は世間水準以上。時間外労働は最高で月15時間程度。3K(キツイ、汚い、危険)とは無縁の仕事だし、福利厚生も充実している。でも最近、採用する人が長続きせず最長1年、平均4か月程度で退職する。原因がわからない。」と経営者が相談にいらっしゃったケース。退職する従業員に理由を聞いても「他に良い仕事が見つかったから。」「この仕事が自分にはあっていない。」といった答えしか返ってこず経営者も少々、困惑していました。

こういう、当たり障りのない答えが返ってくる場合は、往々にして会社の人間関係が介在しているケースが多いので、私の方で在職中の同じ職場の方に会社の人事労務スタッフを交えず、個別にヒアリングをしたところ、一部の方からある先輩従業員による「パワハラ」の実態があることが判明しました。暴力は行っていないのですが、言葉で新人を追い詰めるタイプのようでした。(もちろん、この方がすべての原因ではないと思いますし、パワハラ行為を助長している会社や同僚への不信感などもあったと思います。)
コンサルティングとしては、その後この先輩社員を含めて全従業員に、後輩指導にあたっての注意点をパワハラ防止の観点を踏まえて研修を行い、当該先輩社員の後輩指導担当を外すなどの対策を講じたところ新入社員の離職状況を改善することができました。

これはあくまでも一例ですが、重要なことは経営者として人事労務上の問題点が発生したときに、その原因を全方向で探っているかということです。近視眼的にならず視点を変えてみないと見えてこないことがあります。

折角、採用した優秀な人材を失わないために「何故」の方向をぜひ変えてみて下さい。

コラム一覧

無料メルマガ登録

今週のコラム、各種ご案内をお届け中です。ぜひ、ご登録ください。

登録解除