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No.13話:労働時間を「把握」することと、「管理」することの違いは何でしょうか。

「管理」という言葉はあまり好きではないのですが、従業員の労働時間を管理することは経営者の重要な責務ですが、国が法令で義務化しているその意味はおわかりですよね。そう、従業員の健康に配慮するべく長時間労働の防止のためです。

 

しかし、実際には中小企業を中心に従業員の労働時間を「記録」さえ怠っている企業が多い状況です。これはもちろん論外です。また、労働時間の「記録」を行っていても「記録」しているだけで、どの人がどの時間を働いているかを「把握」し、認識しているかができていないのであれば、これも問題です。

 

そして、従業員の労働時間を「把握」しているだけで留まっているのも問題です。日々、従業員が所定始業時間に業務を開始し、所定終業時間に業務を終了し会社を退勤している会社の経営者としては、労働時間の「把握」に留めていて何の問題があるのかとのご意見もあろうかと思います。

 

しかし、業務の効率向上を考えたときに、現状の始業時間と終業時間がベストな設定であるかを検証する必要があると思います。実は残業が多かったり、休日出勤が発生したりするとこういった問題点を改善しようと行動に移すことができるのですが、何事もなく所定労働時間内に業務が完了していると「上手く機能している」と思い込み、その労働時間の設定がベストであるかを検証しなくなってしまいます。

 

例えば、終業時間の17時よりも実際は2時間早く業務が完了しているのに、不急な業務で2時間、お茶を濁して過ごしている場合です。該当する従業員が4名いれば1日分の労働時間がムダに使われており、1名分の剰員があることになります。こういうケースの場合、従業員サイドから「2時間余ってしまいました。」といった声はめったに上がってきませんから、実態を発見しにくいのです。

 

このように労働時間の中身を常に検証し、効率化を図ることが労働時間の「管理」です。従業員の労働時間を「記録」「把握」しているだけに留まっているだけでは「管理」とは言えないのです。残業時間が多いのであれば、なぜ多いのかの原因を探り解決策を考えていくことが「管理」なのです。

 

残念ながら労働時間の効率化を図らないで、「残業が多い」の原因を短絡的に「人員が少ない」と結論付けてしまう会社が多いのです。「何故」をもう少し日々の業務の中から導き出すことを怠っているのです。そうならないためには、現場の従業員からのヒアリングを欠かさず、何もないところから問題を発見することが重要になります。

改善点は現場に隠れています。さあ、行動に移しましょう。

 

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