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No.14話:従業員から信頼される経営者とは「約束を守る」人です。

従業員が経営者に「全幅の信頼」を寄せている会社は、基本的には業績を上げ、成長しています。では、従業員が信頼する経営者とは、どういう人物でしょうか。それは「約束を守る。」人ということになります。

 

これは逆の立場で考えればわかりますよね。従業員が雇用契約で取り交わした始業時間が来ても出社していなければ、経営者としてその従業員をとても信頼できないはずです。我々コンサルタントに寄せられる相談は、このように就業規則で定めるルールや約束を守らない従業員の処遇に関することが多く、経営者の悩みであることはよく理解できます。

 

しかし、これは従業員側にとっても同じことです。「健康保険に入れてくれるといったのに入れてくれない。」「○○○○円の給料を支払うといったのに、それより少ない金額に代えられた。」「残業は月10時間程度と言っていたのに、30時間くらいは発生している。」「経理事務の仕事で入社したのに、営業職に異動させられた。」などがあると、当然、経営者に対して「約束を守ってくれていない。」と不満を感じ、信頼を寄せることはありません。

 

残念ながら、従業員には「約束の履行」を求めるのに、自身が従業員と行った「約束の履行」について軽く考えている経営者が少なくありません。信用できない経営者や会社に対して、どうして従業員が持てる能力を発揮するというのでしょうか。

 

「これまで健康保険は採用してもすぐに辞める人がいたので、継続して勤務できると判断できるまでは加入手続きをしない。」「採用したけれど期待した能力や技術を持っていなかったので、給料の金額を見直した。」「残業は通常は10時間程度だが、今年は従業員が減って人手不足になったから、いつもより残業時間が長くなっただけ。」「営業のほうが向いていると思ったので異動をお願いした。」等のご事情もあったと思いますが、それを見越して約束事を組み立てておくべきではないでしょうか。

 

「この会社の経営者が信用できるか。」は従業員にとって、極めて重要なことです。入社という「入口」で従業員が不信や不満を感じると、取り返しのつかないことになります。このコラムでも何度も申し上げていますが、昨今の労働者は若年層を中心に就職した会社に対する見極め方が大変シビアです。「この会社、信用できないな。」と判断すれば、優秀な人材ほどためらいもなく早々に転職を選択します。

 

そして一旦、信用を失うとSNS上に情報が流れ、採用募集しても希望する人材が集まらなくなり、優秀な人材の流出が続くという「負のスパイラル」が起こります。この状況を巻き返すためには相当な時間を覚悟しなければなりません。もちろん、会社が存続し続けたらということになりますが。

 

少し「警告」のように感じたかもしれませんが、経営者が「ウソをつかない。」「約束を守る。」ということは、これからの労務管理において極めて大切だということを認識していただきたいのです。法律を遵守することは当然ですが、守れない約束をしないことに徹し、守れる約束を組み立てることを心掛け、「一度約束したら必ず守る。」という気概をもって従業員を雇用することです。

 

「成長する」強い組織を作りたいのであれば、何よりも経営者と従業員との深い「信頼関係」を築くことです。

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