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No.21話:一方的に熱く「語る」だけでは人は動かないものです。

言葉は丁寧で、理路整然と従業員に熱く「語る」経営者と、乱暴な言葉遣いで、論理的な話はできないけれども従業員の話はよく「聞く」経営者、どちらのほうが従業員の動きが良いでしょうか。統計があるわけではないですが、私がお会いした経営者では後者の方が従業員の動きは良いようです。

論理的で分かりやすく話をする方は本当に素晴らしいと思います。しかし、そういう方は往々にして「話好き」で、話す相手の状況もそっちのけで一方的に話し始めます。要するに「構って」ちゃんタイプです。若い時の自慢話を始めて話すかのようにその都度繰り返して熱く語られても、毎度同じことを聞かされる側はたまったものではありません。お酒の席であればこういうタイプもありですが、相手が従業員であれば「お気の毒」としか言いようがありません。また、従業員が話をしても適当に聞いていることが多く、時間が経過すると「え、そんなこと言っていた?」とその時の内容を覚えていないのもこのタイプの方です。しかも本人は「自分は話し上手の聞き上手だ。」と思い込んでいるから困ったものです。こんなことが繰り返されると従業員はまともに話す気になりませんし、経営者との会話を避けるようになります。こうなると経営者に現場の正確な情報が入ってこなくなりますし、従業員の意欲も低下し生産性が上がってくることはありません。

一方で話しベタでそのことを自覚している方は、逆に「聞く」のが上手です。相手の顔を見るという視線や頷くタイミングが絶妙で「聴く」姿勢が整っています。下手な人は視線が「無関心」を悟られる方向に行っていますし、ときに鼻で笑ったり不必要な「茶化し」を入れて相手の話の腰を平気で折ってしまうのですが、上手な人は相手の話のリズムに合わせて、話の本質をどんどん引き出そうとします。また、世代が離れていて相手が話しにくい場合や話題に内容によっては別の人を介したりといった工夫をして、相手に配慮をしています。そして話を聞いた後にボソッと相手が言って欲しい、あるいは聞きたかった一言をつぶやきます。こういう聞き上手な経営者には、当たり前の話ですが必要な情報が必要なタイミングで入ってきます。

よく「俺は話が下手で、人前でしゃべるのが苦手だから経営者に向いていないんだよね。」と言われる経営者の方がいらっしゃいます。そういう経営者の方には「相手の気持ちに立てる聞き上手になればいいですよ。そちらの方が断然、経営者に向いていますから。」って応援させていただいています。話し上手を自慢する方より、余程そちらの方のほうが従業員の信頼を勝ち取ることが出来ますよ。

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