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No.22話:「頑張っている」けれども成果の出ない人は、「頑張っている」内容をよく見るべきです。

 要領よくというか段取りよく立ち回って仕事をこなし、涼しい顔をして定時で退社するが結果を残すA従業員と、真面目で毎日汗水たらして「ひたむき」に仕事に向き合い残業もいとわないが結果を残せないB従業員。経営者としてどちらを評価するか、悩ましいところです。

 手を抜いて仕事を行い上司の目の届かない場所では怠け、目標の達成見込みが厳しくなると急に残業をやりだし「頑張っている」姿勢だけを見せる従業員は当然論外です。一方で、結果を出せていなくても日々一生懸命に業務に取り組んでいる従業員を目の前にすると、「成果につながっていないだけ。」という気持ちになってしまいます。

 しかし、残酷ですがビジネスの世界は結果が全てです。目標未達成が数期も続くようでは「寛容」に対応することも不可能になります。大切なことは「頑張っている」が結果を出ない従業員に、結果につながるように適切な指導や教育を施すことです。結果につながらないのは仕事の進め方に課題があると気がつき、必要な助言を行うことです。

 例えば残業申請をしてきても、残業に見合う成果が得られないと判断した場合は認めるべきではありません。結果が出ない従業員は労働時間の長さで解決を図ろうとしますが、これは「結果につながる仕事の進め方を理解する。」という根本的な課題解決になりません。仕事の段取り一つ一つを上司とともに検証し、効率の悪いことや、取組めていない重要な作業がないかを確認し、修正することに留意すべきです。

 一方、易々と仕事をこなし、結果を残す同僚を「見習え」と指導することもあまり有益とは思えません。彼らは怠けていても結果を残せるタイプではないのです。他人の見ていないところで人の何倍も工夫や知恵を絞って結果につなげているのです。本当に怠けていては幸運な結果は一時的に残せても、継続的な業績は残せません。元プロ野球監督の故野村克也氏の言葉で「勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の負けなし。」というものがありますが、負けるのは理由があって負けるのと同様に結果が残せないことも理由があるからです。話を戻しますが、他人の見えないところで努力している人を模倣の対象にすることは、見せていない仕事の工夫などを参考にしようとするのですから、無理があります。従って「見習え」というアドバイスは現実的ではなく、有益ではないと申し上げているのです。となれば個々の仕事の進め方を本人と話し合って、根気よく改善していくことが早道ということになります。

 真面目でひたむきに仕事に取り組んでも結果が残せない人は、仕事の取り組み方を修正すれば必ず結果を残すようになります。上司や経営者があきらめることなく、暖かい気持ちでサポートしてあげてください。

 

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