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No.25話:採用選考を工夫することで、定着率はアップします。

従業員にとって自分の能力、仕事に対する考え方などがうまくマッチする会社に就職できることは、人生にとって最高の幸運の出来事だと思います。当然「働きがい」の向上につながり、自身の能力を如何なく発揮できますから、生産性も向上し永く勤務することができます。これは会社にとっても「願ったり。叶ったり。」であり、「終身雇用の終焉」といわれていますが、有能な人材には長く働いて欲しいものです。

一方で自分のやりたい仕事ができず、ライフスタイルにも合わない会社に就職した場合は、仕事に対してネガティブな感情がわき「働きがい」を感じることもありません。従って、生産性は上がらず成果は残せない従業員となってしまいます。こうなれば会社にとっても雇用継続をしたくない「早く止めて欲しい」従業員として扱わざるを得なくなります。

このような不幸な状態を招かないためにも、採用選考方法の工夫が極めて重要になります。残念ながら従来のような履歴書や職務経歴書、面接、適性検査や試験だけの方法では、従業員の心の奥底にある価値観を推し量ることができなくなっています。そこで最近一部の企業で取り組まれているのが「採用→試用期間」という形ではなく、採用(労働契約の成立)を伴わない「体験入社」という方法です。

その会社に興味がある就職希望者に一定の期間(1ヵ月から2ヵ月)を設け、採用された場合に実際に配属される職場に「出勤」し、顧客情報や取引先情報に触れない範囲の「仕事」の一部を体験し、見学してもらうというものです。この取り組みの重要なポイントは、就職希望者がその会社や職場が自分にとって適しているかを入社する前に判断することが出来るととともに、会社もその方が職場に馴染み、能力を発揮できるかの見通しを立てることができることです。

「仕事が想像以上にハードすぎて、ついて行けそうにない。」という場合もあれば、逆に「仕事のレベルが低すぎて満足できそうにない。」ことも考えらえます。また人間関係についても「和気あいあいすぎて、緊張感がない。自分には合わない。」と判断するケースもあります。このような判断は入社する前にできれば、就職希望者は効率的に自分にあった就職先を探すことができます。また、会社にとっても「この会社なら十分やっていける。」と判断した就職希望者に入社をしてもらえば、定着の可能性が高くなり採用に係るコストを抑えることが出来ます。

「試用期間も見極めの期間だから、従来通りの試用期間でも問題ないのではないか。」とのご意見もいただきますが、試用期間は採用後に設定される制度になるということを踏まえておいてください。すなわち試用期間とは労働契約が成立していることが前提の制度ということです。従って従業員が雇用関係を解消することはハードルが低いのですが、会社が試用期間中、もしくは終了後に雇用関係を解消するには、ある程度客観的合理的な理由が必要になり、ミスマッチを感じてもその従業員を安易に辞めさせることができなくなります。

いずれにしましても、従業員と会社が「両想い」で雇用関係が続くのがベストです。その為にも雇用の入口である採用選考に、確固たる戦略を講じるべきです。

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