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No.26話:苦しいときこと従業員とのコミュニケーションを大切に。

2020年もあとわずかとなりました。今年は新型コロナの感染拡大により緊急事態宣言が発出され、その後も感染拡大第2波、第3波への対応で営業自粛を要請されるなど、日本経済に正に未曽有の影響を及ぼしています。

このような中、多くの事業所が業績を大きく低下させ、一部の店舗や営業所の閉鎖や、最悪の場合は事業の継続を断念せざるを得ない状況になりました。このような事態に至れば、その会社は苦渋の決断で従業員の賃金の見直しや解雇に踏み込まざるを得ません。当然のことながら従業員にとっては収入が減少し、食費や子女の教育費の節約など生活に大きな影響を及ぼすこととなります。

振り返れば今年のはじめにおいて、誰がこの状況を予測できたでしょうか。しかもこの事態は終息することはなく、来年も予断を許さない状況が続くとみられております。経営者が会社の運営を軽んじて招いた事態でも、従業員が日頃の業務を怠けていた結果ではありません。日々のそれぞれの職責を全うしていたにも関わらず、世界規模で発生した「100年に1度」と言われるような人の命に関る異常事態なのです。「政府の対応が悪い」と批判される方もいますが、かつて経験したことのない状況に直面している以上、政府の対応に混乱が生じることは受け入れるしかありません。ましてや経営者や従業員の責任でもありません。

今、会社の経営者が行うべきは、この状況をいかに乗り切って、「コロナ後」の社会でどのように挽回していくかを考えることです。場合によっては従業員に更なる「賃金の引き下げ」といった負担をお願いすることもあり得るかもしれません。しかし、その時に「会社も大変だから仕方がないだろう。」というスタンスで臨んではいけません。従業員も会社が苦しいことは重々承知しています。だからこそ会社の提案を受け入れざるを得ないのですが、従業員に負担を強いる以上は可能な限り会社の状況を説明し、「不満」という心のしこりを取り除く努力をし「不信」が芽生えないようにする必要があります。

何故なら「コロナ後」の経営の立て直しには従業員の協力は不可欠だからです。経営者に対して不信感を抱いた従業員に「良い仕事」は期待できません。だからこそ、苦渋のお願いを従業員に行うときは、会社の置かれた状況、お願いすべき負担の内容や程度、そして期間等の説明をすべきです。その上で従業員の個別の事情もしっかりとヒアリングし、可能な限り彼らの希望も聞きながら、納得性のある負担となる取り組みへと合意形成すべきです。

会社の状況が良いと従業員は「あ・うん」の呼吸で動いてくれますが、逆に状況が悪いときには「何も言わなくても、わかってくれるだろう」という考えは禁物です。確かに会社の経営状況の悪いことを説明して、従業員に「不安」を抱かせたくないという気持ちは尊重します。しかし、何も知らされず、あるいは取り繕ったような報告を聞けば従業員は「不安」もさることながら、経営者に「不信」感を抱きます。

苦しい時こそ丁寧に従業員とコミュニケーションを取り、信頼関係を維持することが本当に大切です。

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