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No.27話:ときには「ことを荒立てる」勇気を持つことも必要です。
2020.12.30
会社の経費を偽って申告して不正に自己の利益にする、あるいは上司の目の届かない場所や機会を使って仕事をサボタージュするといった素行の悪い従業員の対処方法について、経営者からご相談を受けることがあります。
注意や指導をすることで深く反省し、行動を改め生産性の高い従業員に生まれ変わる方もいる一方で、最近は自身の悪行を省みるどころか会社からの注意や指導を「パワハラだ」と妙な言いがかりをつけて、「弁護士に相談して損害賠償を請求する。」と逆ギレする従業員も増えています。
問題は、本来は逆ギレした従業員に毅然と対応すべきところ、上司や経営者が委縮してしまい「まあまあ」といった感じで穏便に事態を収拾してしまうことです。
残念ながらこれは多くの企業で散見されるケースであり、ほとんどの場合は問題の従業員が「この会社は甘い。多少の悪さを行ってもクビにはならない。ちょろいもんだ。」と見下して、悪行をエスカレートさせてしまいます。
このように素行の悪い従業員が「放置」されている事態を他の従業員が目の当たりにすると、間違いなく彼らはモチベーションを著しく低下させます。場合によっては「素行の悪い彼らの行為が許されているのであれば、自分もやらない手はない。」と同様の不性行為やサボタージュを追随する者もあらわれかねません。
このように状態に陥ると職場を正常な状態に戻すには、相当な努力が必要になります。会社が本腰を入れて不正行為の禁止を徹底しようとしても、これまで大目に見られていたことが急に「禁止」と言われると「既得権を侵害された。」と激しく抵抗してきます。会社が「禁止」を徹底するその理由がいかに正当なものであっても、彼らにとっては到底受け入れがたいことと感じます。
それでも「何とか改善したい。」という思いで我々コンサルタントにご相談に来られる経営者の方がいます。そして、その相談を受けて私どもの方で正常な状態に戻すためのスキームを組立てさせていただきます。事態が深刻で複雑であればある程、振るう「鉈」は当然大きくならざるを得ませんし、悪行を重ねる従業員の抵抗は相当大きくなることが予測されます。
実は予測される事態をご説明すると必ずと言っていいほど、経営者の方から「ことを荒立てたくない。できるだけ穏便に済ませたい。」といった言葉をいただきます。あるいは組立てたスキーム通りに対応策を進めても、途中で「もうそこまでやらなくていいのでは。」「彼らも反省していることだし、そのくらいでよいのでは。」と小さな「鉈」に変えるように求めてくる経営者もいます。
申し訳ないのですが、これでは我々が組立てたスキームが無意味になり、あなたの会社は何も変わりません。究極には早晩会社の労務管理は機能しなくなり、やがては会社自体も崩壊するかもしれません。そうならないためにはどうすべきかはもうお分かりの筈です。
会社を正常な状態に戻すために「覚悟を決める。」ことです。あえて「ことを荒立てる」勇気を持つことです。
新型コロナの影響が続くと予測される2021年。本年以上に決断を求められる年になると思います。決断をためらえば取り返しのつかないことが起こり得ます。我々コンサルタントができることはしっかりとサポートいたしますので、どうか勇気をもって新しい年を乗り越えましょう。
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