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No.32話:労務管理についても「超デジタル化時代」を想定して対応を図るべきです。
2021.02.03
先日、政府が「給与のデジタル払い」を認めることを検討している旨の記事がありました。今までは運営企業の「不測の事態」による利用者の損害を避けるためにこの「デジタル払い」を認めていませんでした。しかし、新型コロナ感染対策による自宅待機などの自粛を経験し、日本が世界のデジタル化の流れに遅れていることを痛感した政府が金融機関の反対を押し切って「GO」サインを出すようです。
振り返れば、21世紀に入ってからの20年の間でAI(人工知能)、DX(デジタルトランスフォーメーション)、SNS、電子申請、フィンテックといった世の中のデジタル化は急激に進んできました。とりわけ昨年来の新型コロナの影響でこの状況は「ギア」が変わったかの如くスピードアップしています。最近は「clubhouse」という音声で多くの人と雑談をするという形式のSNSも出てき、「文字ではなく言葉で」が受け入れられ、爆発的に利用者を増やしています。
さて、かく言う私も以前はこういったデジタル化の流れについていけていた(と思っていただけかもしれませんが)部類の人間でした。しかしながら、齢五十五を超えてからはさすがに「ついていけない」と感じるようになりました。同年代の経営者とお話ししても「最近のデジタル化は訳が分からないね。手に負えなくなって仕事に支障が出ているよ。」と笑い話にもならないレベルになってしまいました。かつては銀行のATMで右往左往している年配の方を心で嘲笑していた自分が、今や嘲笑される側になっているのですからこれは確かに笑い話ではないですね。
とはいえ企業を経営する者としては「訳が分からない」では済まされなくなっています。
デジタル化の推進を怠れば企業の存続を脅かすような重大な機会損失や経費の流出を招いてしまいます。「取り残される。」という問題ではないということです。
ましてや「ウチは小さい会社だから影響は少ないよ。」という規模の問題でもありません。スマホ時代の若い人は、今や就職活動もスマホでTwitterなどのSNSを通じて直接、企業の人事担当者と採用の交渉をしています。ハローワークに行かないし、求人サイトも活用しません。デジタル環境が脆弱な企業は相手もされません。(少々言いすぎですが。)そんな時代なのです。
一方でデジタル化によって世界とつながって商売を拡大することもできます。パソコンを通じて代金の決済や商品の発注が可能です。移動による交通費の負担を軽減することもできます。人材を効率化し必要な部署に必要な人員を配置できます。
デジタル化を「難しい」とネガティブに考えず、「便利になる。」「商売につながる。」とポジティブにとらえるべきです。
導入方法、運用方法が解らなければあなたがやる必要はありません。わかる人を採用して対応すればいいのです。「そのうちに。」「いずれは。」では手遅れになりかねません。
デジタル化の急流にどのような人材が必要で、どうやって採用し、あるいはどう育成するのか。このようなことも人事戦略です。
ご自身の会社と従業員の将来のために勇気をもって今、取り組みましょう。
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