『人事労務戦略』構築専門のコンサルタント 株式会社サムライズ

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No.34話:人事労務の目的を見失っていませんか。

唐突な質問ですが、「会社の人事労務の役割」と聞かれれば「従業員の労務管理を行うことだ。」という答えになるのでしょうか。では「何故、労務管理を行う必要があるのでしょうか。」といった具合に「何故」を掘り下げると、各社の経営者が考える人事労務の目的が整理できると思います。

さて、私なりには人事労務とは「会社の業績を伸ばし、会社を発展させるために、会社に必要な能力をもつ人材を採用し、その人材をその能力に最も適した職場に配属し、さらに能力を向上すべく教育訓練あるいは人事異動を行い、持てる能力を100%以上発揮できるように職場環境を整え、その人材が残した成果を適正に評価し処遇できるように仕組みを考えること」と考えています。

もちろん、これ以外にも取り組むべきものがあるかもしれませんが、できるだけまとめると上記のような内容になります。ただ、どのような会社の人事労務であっても、その目的である「会社の業績を伸ばし、会社を発展させるため」については変わらないのではないでしょうか。

この目的については、これまでの私のコラムで何度か触れており、人事労務の役割の「核心」部分だと思います。例えば東大出身の優秀な人材を大量に採用しても、会社の業績が全く伸びず、挙句の果てには会社が倒産しては意味がありません。その優秀な人材の能力を遺憾なく発揮できる仕事もなく、ただ会社に所属するだけでは「東大出身の社員を採用できた。ウチの会社は凄いだろう。」という自己満足でしかありません。そして、ありがちなのが「東大出身を採用したけど、役に立たない。高い給料に見合った成果を残してくれない。」と自社の責任はそっちのけで、あたかもその人材に原因があるかのようにしてしまうことです。

こういう会社は「優秀な学歴をもった人材を採用すること」が目的になっていたのではないでしょうか。果たして何のために人材を募集して採用するのでしょうか。どんな場面でも人事労務の目的は「会社の業績を伸ばし、会社を発展させるため」でしかありません。プロ野球で例えると昨シーズンの成績不振の原因が先発投手陣の防御率がリーグ最下位であることが分かっているのに、大リーグから高年俸のホームラン打者を2名もスカウトするのではなく、防御率の優秀な投手をより多く補充することが優勝への戦略であるのと同じことということです。

前述の「東大出身の採用が目的化している。」ケースは極端な例であり、さすがにこのような無計画な採用をする会社はありませんが、細かな人事の取り組みにおいて「会社の業績を伸ばし、会社を発展させるため」という目的から逸脱している会社が実は意外とあります。ついつい「3名の欠員を早く補充しないといけない。」「人事制度も改定して10年を経過しているから見直しをしないと」など、目の前にある事案への対応を急ぐあまり、問題の本質を見失ってしまいがちです。是非ともこのようなことがないように、取り組もうとする人事施策が「会社の業績を伸ばし、会社を発展させるため」という目的を達成するためのものなのかを経営者として常に意識して進めることが大切です。

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