『人事労務戦略』構築専門のコンサルタント 株式会社サムライズ

No.37話:従業員を「指導・教育」するとはどういうことでしょうか。

「人材育成」は洋の東西を問わず、どんな時代であっても「組織」の最重要課題です。(「組織」を国、会社、任意団体、家庭などのいずれかにするかは別として。)人材の育成が進まないと、その「組織」はいずれ崩壊してしまいます。とりわけ世界的な社会変革期にある現在、新しい時代を担う人材を社会全体で育成していくことが求められます。

一方で「雇用の流動化」がクローズアップされる昨今においては、労働者自身が自らのスキルアップや時代の要請に応じた技術や知識を習得するという「自力涵養」が不可欠となっています。すなわちこれからは「自分の身は自分で守る」という意識を持っていないと、急速な流れに取り残され職を失うか、誰でもできる汎用性のある仕事を低賃金で従事することになりかねません。

では会社における人事教育の今後の位置づけはどうなるのでしょうか。スキルアップは従業員個人に任せておけばよいのでしょうか。もちろん、そんなことはありません。会社による従業員の育成はこれまで通り進めていくべきです。会社の事業運営に必要なスキルを身に着けさせ、会社の社会的使命の達成に貢献できるように「指導・教育」することを続けていかなければなりません。

さて、このコラムでも度々使用する「従業員の指導・教育」という言葉ですが、どういう意味があるのでしょうか。職場では一般に上司や先輩、あるいは人事教育担当者によって、会社の人材育成を目的とした教育プログラムの一環として行われていると思います。そして、人事教育の目的はもちろん前述のようにどの会社においても「事業運営に必要なスキルの習得と、会社の社会的使命達成の結実」にあります。

しかしながら、会社によっては「指導・教育」を「実施する」ことが目的化してしまい、本来目指すべき、前述の目的が見失われている場合があります。人事教育は従業員を会社が「指導・教育」することで、受ける従業員が影響を受け、目標達成に向けて行動が変わらなければ意味がないし、指導力を発揮したとはいえません。

そのためには、まず従業員の「意識が変わること」につなげていくことが「指導・教育」において重要です。意識が変われば、それをきっかけに従業員は自分にどんな知識や技能や経験が足りていないかを認識し、その習得に向けて自発的に動くようになります。すなわち、「行動が変わる」ということです。

「意識を変える」ことは口で言うのは簡単です。実際にはほとんどの方が「意識を変える」ことが出来ずにいます。「意識を変える」ためには、知識、技能、経験の習得ができたときのその従業員の未来がイメージできるようにしてあげることです。「旅行に行こう。」と誘っても、どこに行くのかわからなければ参加する人は少ないですが、「ハワイに旅行に行こう。」と誘えば、ハワイに行きたい人は参加を申し込みます。イメージできる未来があるから人は動くのだと思います。

 

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