『人事労務戦略』構築専門のコンサルタント 株式会社サムライズ

No.38話:従業員の労働時間はやっぱり会社が管理すべきです。

昔、テレビゲームをしていると「何とかこのステージをクリアしよう。」と思って夢中になり、時間が過ぎていくのも忘れて気がつくと夜明けが来ていたなんて経験をしたことがあるのではないでしょうか。「いつまでやっているの。明日、学校(会社)でしょう?」となかば飽きられながら家族に注意されても、本人は夢中になっているので「右から左へ」聞き流されるだけ。

学生のときでも社会人になっても連日徹夜ゲームに夢中になり「ラスボス」を倒して、そのゲームを完遂して満足することでストレス解消をすることも必要かもしれません。また、若いころの数日程度であれば疲労は感じるかもしれませんが「不健康」というほどでもないでしょうし。しかし、これがプライベートのことならまだしも、これがお仕事であればどうでしょうか。

社会人になり、会社にも慣れてそれなりに仕事も任されるようになると、誰でも仕事が「面白い」と感じる時季がきます。そうするとどうしても時間を忘れて仕事に夢中になることがあります。「任された初めての大きなプロジェクト。絶対に上司に承認してもらえるような企画書を作るぞ。」と意気込んで取り組んでもらうことは、上司にとって喜ぶべきことです。

しかし、「夢中」がエスカレートして連日、遅くまで仕事をしている場合には上司はよくよく注意をしておかなければなりません。先述のとおり、楽しいことに夢中になって取り組んでいると本人はそれほど疲労も感じずに、時間を忘れて仕事ができてしまいます。上司が体を気遣って「今日ぐらい早めに帰りなさい。」と声を掛けても、「大丈夫です。全然疲れていないですし、まだまだ頑張れます。」と笑顔で答えてきたりします。もちろん上司も安心しているわけではないと思いますが「壁を乗り越えようとしているのに、今ブレーキをかけても逆効果かな。」と、そのままにしてしまいます。

実は問題はここにあります。本人は疲労を感じていなくても「疲労は蓄積」しています。健康も徐々かもしれませんが確実に害しています。だから上司は部下の心身の健康のためにも勇気をもって長時間労働を制止しなければなりません。「今は自分にとって大事なこの仕事をやり遂げたい。健康面は注意します。万が一、健康を害しても会社に責任を取れとは言いませんからやらせてください。」を訴えてきても、心を鬼にして家に帰らせて休養を取るようにしてください。

とはいいながら実際には、「夢中」になっている人を無理に帰宅させたり、休暇を取らせたりするのは至難の業になります。結局は自宅やカフェ、あるいはコワーキングスペースなどで仕事を続けてしまいます。したがって、「帰りなさい。」「休みなさい。」と言葉で注意するだけでは効果がないのです。本人が納得しなければ意味がないのです。

では、どうすれば本人は納得するでしょうか。それは日中の仕事が落ち着いたころに時間をとって、上司と本人とでじっくりと話し合うことです。「休息をとっていない疲れた状態で仕事をしても良いものはできない。」「少し休養すれば逆に気分転換になり、思ってもみないアイデアが出るものだ。」「心身の健康を害して、それ以降仕事が出来なくなった人をたくさん見ているよ。」などを伝えて、本人が興奮状態から冷静になるようにコントロールすることが大切です。

体に無理を強いて壁を超える癖をつけると、人は同じことを繰り返すことになります。アクセルを踏み続けるだけでは猛スピードになるだけです。その先には不幸な事故しかありません。「ブレーキを踏むこと」を教えてあげることも部下の育成に必要なことではないでしょうか。

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