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No.41話: 人材育成や部下管理を職場に任せても「放置」してはいけません。

「最近、退職する人が多い。」「採用しても半年で辞めてしまう。」「うつ病を発症して休職する従業員が増えている。」など、従業員の動きに気になる変化があるときはまずは「なぜ?」を繰り返し、原因を探索する必要があります。原因が個人の事情による場合は会社でいかんともしがたいことですが、会社や職場にある場合は早期に原因を特定し、解決に向けて対応しなければなりません。

ところで前述の事態が頻発するときは、実はほとんどのケースで職場に原因があります。「先輩・上司によるハラスメント」「ハードワークによる従業員の精神的、肉体的疲弊」「成長を実感できない緩い組織風土」などによるものです。このような状態が常態化している職場であれば、従業員はサッサとその会社に見切りをつけて転職するか、不幸な場合は体調を崩して長期で休職することが起こり得ます。

従って原因が判明すればできるだけ速やかに改善に着手しなければなりません。しかし、改善の効果はその後に配属される従業員に対するものとなり、着手する前にすでに退職した、あるいは体調を崩した従業員には「手遅れ」でしかなく、会社が被った人的損失を取り返すすべはありません。問題の本質は「原因を究明し、状況を改善する。」ことではなく、経営者は職場がこのような事態になる前に手を打ち、退職する人や体調を崩す従業員が発生しないようにすることです。

そのためには、まずもって大切な従業員を職場に「放置」しないことが大切です。すなわち人材育成や部下管理を「職場に任せきりにして顧みない。」ことからの脱却が必要ということです。職場責任者に人材育成を「任せ」るといえば聞こえが良いかもしれませんが、「任せ」ても経営者や人事責任者が適宜、人材育成や管理状況を確認し助言指導しなければ、「放ったらかし」「無責任」と言われても仕方がありません。上記のような退職や体調不良者が頻発した場合に、その責任を職場管理職にのみ負わせるのは穏当ではないと思います。

問題が発生した際に、職場の責任者にヒアリングすると「このままでは従業員に大きな負荷がかかる。(職場への魅力を失ってしまう。)何とかしなければと感じていたが職場だけでは対応できなかった。もっと早く人事責任者に相談すべきだった。」という回答をいただくことがあります。職場は職場で問題認識をしていることが多いのです。だから、職場の問題ではなく、その会社の問題としてとらえる必要があるのです。

「そんなことを言われても、規模が大きすぎて、忙しすぎて現場の従業員管理にまで目がとどかない。」との声も聞こえてきそうですが、「目がとどく」ことができている会社は「できている」ものです。「現場の裁量範囲を定めている。」「本部の人事が現場の人材育成に定期的に確認する。」「従業員の現場での異変を直接、人事責任者に相談できる。」などの仕組みを構築しており、必要に応じて見直しをしています。

大切な人材を失ってからでは遅いのです。「リスクを事前に察知する。」そして、考えらえるリスクを整理して、一つ一つ対応策を講じていくことが経営者の責務です。

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