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No.42話: 従業員の性格や人間性は数年雇ってみないとわからないと割り切るべきです。

あなたの会社にとって「必要な人材」とは、どんな人ですかと、あらたまって経営者に質問をすると、概ねよどみなく回答をいただけます。「真面目な人」「素直な人」「明るい人」「逆境に強い根性のある人」「何にでも積極に取り組む人」など様々な人格に関する人材像を上げていただけます。もちろん「○○の技能をもった人」「○○業務の経験が豊富な人」などスキルを求める回答をいただく方もありますが、多くの経営者はその人物の性格的な要件を挙げられます。

確かにスキルは大きな判断基準ではありますが、経営者としては会社の将来を担う人材に良好な性質をもった人物を当然求めると思います。このようなことから採用試験の際に、仕事の取り組み姿勢や良好な人間関係を築けるか否かを、「適性診断」といったツールを使って見極めようとする会社が増えてきています。

このツールによる判定の精度はさておき、その使用を試みる背景には「性格的要件」を面接を通じて判断することが極めて難しいと感じていることがあるからではないでしょうか。性格、性質は人間の内面的なものであり、技能や経験、知識以上に人間では推し量ることが難しいものです。「明るいし、前向きに仕事に取り組んでいるけど同僚の評価は低いなあ。」「性格は真面目だと言われているが、職場で上手くいっていないようだ。」ということは良くある話です。そして、良く調べてみると表面上の性格だけ見ていて、その人の本質が見えていなかったことが分かり、職場で上手くいっていないことが腑に落ちることがあります。

「真面目で積極的。仕事もすぐ覚えて結果も残している。しかし、職場の女性スタッフからは距離を置かれている。」という人物。「おかしい。」と思い職場にヒアリングを行うと特定の気に入った女性スタッフに対して、執拗に食事に誘うなどセクハラまがいの行為を行っていたことが判明し、愕然とすることがあります。被害の女性スタッフが刑事告訴を検討していたことから、期待を込めて採用したその人物にやむを得ず、退職勧奨せざるを得なくなったケースもあります。

人間の内面を見極めることは本当に難しいことです。職歴が長い従業員であればある程度は性格を見極めることもできますが、求職者については裏切られることもあると割り切ることが必要です。結局は数年、雇ってみないとわからないのです。見込んでいたその人物の性格に多少の違いがあれば「想定内」と思うことです。問題は職場に大きなマイナスの影響が出るような「想定外」の性格を有していないか早期に発見することです。その上でその人物のマイナスの性格を矯正できるのであれば対応してあげて、「真面目で積極的」といったはじめに感じたプラスの性格を活かせるように導くことが大切です。

会社として大きな経費と時間を費やして採用した従業員です。「泣いて馬謖を斬る」ということが無いように、「最初の1、2年が大切」と心掛けて見守るようにしてあげてください。

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