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No.46話:従業員に「仕事の厳しさ」を経営者が身をもって伝えていますか。

経営者が「我社の従業員はムダな経費支出が多い。」と自社の問題点を掲げて従業員に注意喚起することはすばらしいことです。そして、経営者自身も率先垂範して経費意識をもって費消していれば何も問題はないと思います。しかし。経営者が私物を会社の経費で精算する等といった「自分に甘い」行動をしていると、従業員に「経費のムダ遣いをするな。」と注意をしても従業員の心には響かないと思います。

一方で経営者の経費意識が高い会社は幹部従業員も同様に高くなります。ある小売業を経営する会社のお話ですが、毎日の閉店後のレジ清算でデータと現金が1円でも合わないとその店の店長は、従業員を居残らせて徹底的に調べるそうです。このような対応はもちろん普通の小売業では「当たり前」のことですが、この会社の徹底しているところは途中で「妥協」しないことです。

ありがちな「妥協」は、合わない金額分を店長が自腹を切って対応するケースですが、この会社では最もやってはいけない対応とされます。自腹による補填が後日発覚すると一番重い処分が下されます。したがって店長は居残った従業員に指示をしてレジ入力にミスはないか、ケースの下に硬貨が落ちていないか、顧客への釣銭に間違いがなかったかを徹底的に確認して問題の解決を図ります。しかし当然、長時間で従業員に居残り残業させることはできませんから、どうしても当日に解決できない場合は店長が顛末書を作成して、会社から相応の処分を受けることになります。

さて、こういう状況を目の当たりにすると従業員はどう思うでしょうか。当然レジの管理に真剣に取り組むようになりますし、「レジの釣銭をごまかしても大事には至らない。」という不届きな考えが起きることもなくなると思います。そして、レジ管理でさえ厳格なのだから、商品管理や経費管理も厳しい会社であると従業員は感じ、日々の行動が変わってくるのではないでしょうか。実はこのレジ管理に関する行動は創業当時より社長自らが行っていたことであり、その時に一般の従業員であった人たちが今、各店舗の店長となって自分たちが部下に実践しているのです。

みなさんはどのように感じましたか。「少々、厳しい。」と思われましたか。それとも「古臭い。」と感じましたか。確かに「シゴキ(これこそ、古臭い)」という不必要に「厳しい」仕事やノルマを押し付けたり、苛斂誅求(かれんちゅうきゅう)に部下や後輩を追い込んだりすることは、ただの「パワハラ」でしかなく肯定できるものではありません。

仕事は経験を積み、知識や技能を獲得すれば楽しくてやりがいの感じるものです。しかし、一方で仕事は厳しいものです。そして、その厳しさは「ああそうか。なるほど」につながり、そして身につくべきものと思います。経営者自身が「従業員は仕事に厳しくのぞめ。でも自分は別だ。」では、従業員に仕事の厳しさは伝わらないと思います。会社の規模に関係なく、従業員は経営者の行いをしっかりと見ています。どうぞ、そのことをお忘れなく。

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