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No.47話:ジェネレーション・ギャップはポジティブに考えましょう。
2021.05.19
「若い者の行動は理解に苦しむ。」「ここ数年の新入社員は何をしたいのかがわからない。」といった年配の経営者の嘆きを面談の際に耳にします。それもそのはずで、10年前は「ゆとり世代」が社会をにぎわしていましたが、最近は「Z世代」と呼ばれる人たちが社会人として職場で働くようになり、50代、60代の経営者には世代の隔絶を益々感じるようになっているのではないでしょうか。
さて、1990年代後半から2012年までに誕生した「Z世代」は「デジタルネイティブ」が特徴です。インターネットはすでに電気・ガスと同様に家庭に整備されており、物心ついたときから彼らは一人1台のスマホやPCをトリセツも見ずに、おもちゃ感覚で使って育ってきているのです。社会人になって数年後に職場に割り当てられた数台のPCを同僚とシェアをし、数年前に持ち始めたスマホを取り出しては「どうやって電話を架けるんだっけ?」とたまに固まってしまう世代とは違うのです。
ですから50代の方が「ジェネレーション・ギャップ」を感じるのは当然です。同じように、「Z世代」の若者もオジサン・オバサン世代の考え方に対して「古臭い。イケてない。」と感覚のズレを感じていると思います。では、このことは今に始まったことでしょうか。
50代の方が若者だったころ年配の人から「昔は職場にクーラーみたいなものはなかった。扇風機があればいい方だった。」「家に風呂がなくて、週に3回家族で銭湯に通ったものだ。」と昔語りをされてどう思いましたか。「そんな昔の話を聞かされても。」と感じたのではないでしょうか。これも「ジェネレーション・ギャップ」ではないですか。
つまり、世代間のズレはいつの世の中にもあるということです。
問題はこの「ジェネレーション・ギャップ」にどう向き合うかではないでしょうか。わたしは「諦める」ことが必要だと思います。「諦める」とはなにも「断念する」という意味ではありません。本来の「諦める」とは「明らかにして見る」とい言葉が変化してもので、「原因を明らかにして対応する。」という意味があるそうです。「ジェネレーション・ギャップ」を「諦め」て、どう対応していくのかポジティブに考えることが重要だと思います。
ポジティブに考えると解決に向けた工夫ができるのではないでしょうか。
ある会社ではコミュニケーションを円滑に進めるために、50代の経営者の考えを10代、20代の従業員に伝えるために30代の管理職を伝達役にしています。世代間のギャップを少しでも緩和するためです。つまり、この会社も「ジェネレーション・ギャップ」を認識しポジティブに工夫をしているのです。
「今どきの若い連中は甘ったるい。」「俺たちの若いころのようにこうやれ。」と、自分たちの世代のやり方をすべて一方的押し付けても、若い世代の人たちは消化不良を起こして受け付けなくなってしまいます。
「若い人のこの仕事の進め方は、確かに効率的だから彼らに任せてみよう。」「この仕事はこれまでの進め方が技術の習得の早道だから、その理由を説明して理解してもらおう。」
など、少し冷静になってどうやって仕事をしていくべきかを考えるべきではないでしょうか。目指すべきは会社の事業目標の達成です。避けられない「ジェネレーション・ギャップ」をあえて前向きに乗り越えるほうが楽しくはないでしょうか。
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