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No.49話:新入社員が思い描く職場とのミスマッチを防ぐには。

「五月病」という言葉がありますが近年は4月中、つまり1ヶ月以内に退職する新入社員が少なくないそうです。「なぜなんだ?」と人事担当者にとっては頭を抱えたくなる問題ですが、ある統計によると入社後1年未満で転職した人の理由のベスト3は、「人間関係が悪い」「長時間労働・休日への不満」「仕事が合わない」となっていました。私自身がクライアントから伺ったものとしては、「業務に必要なことを教えてもらえなかった。」「社会人マナーの教育ばかり退屈だった。」といったもので、確かに前述の「人間関係が悪い」「仕事が合わない」に通じるものがありますね。

一昔前は「仕事は教えて覚えるものではない。見て覚えるのだ。」と先輩社員に言われたものです。しかし、いまどきの若者は前向きな人ほど「早く職場で活躍して結果を残したい。」「将来に役立つスキルを早く身に着けたい。」と考えているわけですから、最初から仕事に関することについて何も教えられずに、職場に放置されると「人間関係が悪い」と感じ、サッサと見切りをつけてしまうのかもしれません。

一方で給料や勤務時間といった労働条件には不満はないが、仕事自体に会社や社会への貢献度を感じないものや、体裁上存在しているようないわゆる「ブルシット・ジョブ(クソ仕事)」ではやりがいは感じられず、「仕事があわない」と感じてしまうのではないでしょうか。

また、時間外労働や休日出勤が入社時点から多い会社は、「プライベートも充実したい。」と考える若者には敬遠されます。ブラックな職場はもちろん論外ですが、「ウチは残業や休日出勤はないですよ。年次有給休暇も100%取得です。」とウソを並べて求人募集をしても、いずれはバレて退職されるのがオチです。実態として、時間外労働や休日出勤があるならば就活中の若者には正直に実態と理由を説明すべきです。ウソをつかれて入社させられるよりはマシだと思います。

さて、新入社員といっても思い描く自分の社会人としての成長像は千差万別ということです。マナーといった社会人としての基本からしっかり学んで成長したい人もいれば、すぐに現場第一線で実力を試したいという人もいます。自分が社員としてどのように育成されるかも彼らにとっては関心事ですから、採用面接のときには彼らがどういう教育を望んでいるかを聴き、それに対しての会社側の人材育成プランを説明することで「育成のミスマッチ」を防ぐことが重要ではないでしょうか。

いずれにしましても、「新入社員はみんな同じ。これまでどおり一律のプログラムで育成する。」という考えはそろそろ改めるべきと思います。これからは、新入社員それぞれが期待する職場や働き方、育成プランをしっかりと聴いて、それに対する会社の実態を伝えるとともに可能な限り期待に応えていく必要があると思います。確かにこれを行うと、相当なコストと時間が生じると思いますが、彼らに会社が人材を大切に考えていることは伝わります。伝われば「人材が定着する。」などのコストに見合った成果があらわれのではないでしょうか。

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