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No.55話: 「人付き合いが苦手」であることは、単なる「個性」です。

「社交的」という言葉がありますが、老若男女を問わず誰とでも気の利いた話ができ、人柄が明るくて、すぐに打ち解けることができる「社交的」な人は素晴らしいと思います。従業員で「社交的」な人材がいれば取引先相手の営業職や、従業員の面倒をみたり部署間の調整をする人事職などが向いているといわれています。また、「社交的」な人は経営者や上司の印象もよく、高評価される傾向にあるようです。

このような「社交的」な人とは対象的に、人見知りで「人付き合いが苦手」な人材も社内にいると思います。彼らは話し下手で口数も少なく、暗い印象のせいか社内での友達も限られているようです。従って営業職といった社外の人と交わる部署には向いていないと会社で思われ、一人で仕事に向き合うような研究職や技術職、あるいは経理職に従事していることが多いようです。

さて、ここまでお話しすると「社交的」な人が会社に有益な人材で、「人付き合いが苦手」な人は有益でない人材ととらえられそうですが、申し上げたいことはそうではありません。「社交的」な人材であっても営業職で必ずしも会社に貢献できるわけでもありませんし、「人付き合いが苦手」な人材であっても仮に営業職に配属されたとしても、大きな成果を残して会社に貢献する人もいます。

「人付き合いが苦手だから彼(彼女は)は○○職はむいていない。」という判断を会社のみならず、本人自身が軽々にするべきではありません。最近は実はこの「人付き合いが苦手」と自覚する人が増える傾向にあります。昨今の世の中の風潮なのか、他人との接触に過敏になり、接触する機会を避けてしまいがちになっているようです。その経験により次第に「人付き合いが苦手」となってしまっているようです。

「人付き合いが苦手」と思う人は社会人になると「生きづらい」と感じてしまうようですが、これは本人の人生にとって良くないことです。「生きづらい」という気持ちが高じると「うつ病」といった心の病につながる危険性があります。そうなると益々「生きづらい」と感じ、心の病から抜け出すことが出来なくなります。会社は医師ではありませんから、心の病から回復させることはできませんが、「人付き合いが苦手」と思っている人を「生きづらい」と思わないようにする努力はできると思います。

それは「人付き合いが苦手」ということを肯定することです。「人付き合いが苦手」は個性であり何も悪いことではありません。「人付き合いが苦手」でも真面目に取引先の要望を聴き、その要望に応える商品を用意できれば取引先からの信用につながり受注が増えて会社の業績に貢献できます。そこには「人付き合いが苦手」であることは影響のないことです。

会社が「○○さんは人付き合いが苦手だけど、しっかり仕事を進めるので取引先からの信頼が厚く取引高も好調で成績もいい。」と評価していれば、本人は「自分は人付き合いが苦手だけれど、会社は評価してくれている。このままでいいのだ。」と感じ、人生が「生きづらい」とは思わなくなります。

世の中には決して「社交的」な人ばかりではありません。「人付き合いが苦手」な人でも仕事との接点は同じです。「人付き合いが苦手な人=仕事ができない人。」と安易に判断せずその人の得意な職務を見つけ出し配置し、戦力として導くことも経営者の仕事ではないでしょうか。

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