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No.60話:従業員の動向に違和感があるときに、そのままにしていませんか。

「大きなけがにはならなかったが、仕事中の小さな事故が最近多発している。」「特定の部署で従業員の退職が続いている。」「金品の横領といった従業員の不祥事が続いている。」といった事案について、ふと気にはなったが「たまたま続いただけ。」「意識の低い従業員も中にはいる。」とそれ以上の詮索をせずに放置していませんか。

一時でも「気にはなった。」ということは、原因となる事象に心当たりがあったからではないでしょうか。このように経営者や管理職の方が職場で起こった小さな事案に対して、多少でも気がかりに感じるときは見過ごすことがないようにしてください。何故ならこれらは職場で何らかの問題か生じていることの「シグナル」である可能性が高いからです。

口元に小さな腫れ物ができると、「胃があれているのでは」と勘ぐり最近の自身の体調を振り返って「そういえば食欲が落ちているな。一度、病院に行って検査してもらおうかな。」と結びつけることがあると思います。これと同じように職場で生じた事象に対して「いつもと何か違う。」と感じたときは、「何か原因となることが発生しているのではないか。」と疑って、調べてみるべきと思います。

例えば「営業1課では、この3ヶ月で3名の20代の従業員が退職している。3名とも自己都合退職になっているが、これまではこのようなことが無かったのにおかしいと思い、営業1課にまだ在籍している同年代の従業員に個別に且つ、極秘にヒアリングをしたところ課長に昇格したばかりのAが営業成績を伸ばそうと焦って、部下に過剰なノルマを課してしまい、月100時間に及ぶ長時間労働、休日出勤が常態化し、そのことに不満を感じて一部の従業員が退職を選択していたことが判明した。」というケースもあります。

この事例の場合で会社が「何かおかしい。」と感じず、個別ヒアリングを行っていなければ、退職者は今後も続き、最悪の事態としては長時間労働を原因とした従業員の過労死が生じていたかもしれません。すなわち「シグナル」を見落とし、原因に気づかず対応をし損ねると従業員の健康を害してしまい、最悪の場合は命を奪ってしまうという取り返しのつかない事態を招きかねないということです。

もちろんこれはあってはならない極端な例かもしれませんが、前述の例で退職した従業員がネットに「この会社の営業課長はパワハラまがいで、100時間に及ぶ長時間労働をさせているのに人事は注意も指導もしない。」といった書込みをした場合にどんな影響が生じるでしょうか。ネット上ではその会社は「ブラック企業」のレッテルを早々に張られてしまい、その情報を得た求職中の優秀な人材は、その会社から求人が出されても応募してくることは当分の間あり得ません。そうなれば優秀な人材確保に苦慮することになりその会社の事業運営に多大な影響を及ぼす可能性もあります。

冒頭にあげた事象は確かに「ささいなこと」かもしれませんが、その背景は「重大」な事態が介在しているかもしれません。ですから経営者や人事担当者が「何かおかしい。」と感じたら、放置せずに原因を探ってみることです。原因が分かれば対応策を講じることができます。取り越し苦労になってもいいではないですか。まずは職場を調べてみることが大切です。

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