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No.64話:従業員の長時間労働では「人手不足」の本質は解決できません。

新型コロナウイルス感染拡大防止のための「緊急事態宣言」発令下、経営難に喘いでいる企業がたくさんあります。しかし一方で、その環境を逆手にとって事業業績を伸ばしている企業もあります。そして、このような企業では事業運営に必要な人員を確保したくても、思うようにいかず深刻な「人手不足」に頭を悩ませています。

このコラムでも何度も申し上げているように、近年において日本は少子高齢化により「労働力人口」が減少トレンドに入り、コロナ以前より「人手不足」はすでに大きな社会問題になっていました。

確かに昨年からの「緊急事態宣言」による自粛要請の影響で経営に打撃を受けている飲食店、小売業、旅行観光業では労働力が過剰となっていますが、想定していたほど冒頭のような業績向上業種への労働力の移動が進んでおりません。原因の一つとして考えられているのが、成長産業で必要とされるスキルを業績不振産業に従事していた労働者が有していないことです。したがって業績不振産業で余っている労働力が成長産業に吸収できず、成長産業の「人手不足」が解消されないという構図です。

また、業績不振産業も現状は余剰人員を抱えていますが、コロナ感染が収まり自粛が解除されれば、事業が復調し労働力が必要とされますから、いずれ以前のような「人手不足」に直面することになります。「人手不足」は「コロナ自粛」の環境下であっても、終息後であっても全産業が直面する大きな課題であることに変わりはありません。

さて、「人手不足」の問題は国家レベルの課題ではありますが、実際に事業継続に必要な人員が足りない企業がやむなく選択してしまうのが「労働者一人の頑張りに期待する。」という手法です。事業運営上の工夫で少ない労働力で効率的に業務を回転させるという意味での「頑張り」であれば良いのですが、労働者の過剰な労働時間という「頑張り」に頼ることで解決しようとする企業が多いようです。

超過勤務に対して賃金を支払わない「サービス残業」は論外ですが、「働いた分は賃金を支払うから文句はないだろう。」という考え方でこの方法を続けることは非常に危険だと思います。過剰な労働時間は労働者の判断力を鈍らせてしまい、仕事上のミスや事故を誘発しかねません。また。健康障害も引き起こしかねず労働者にとって大きな負担となります。結果として過剰な労働時間は労働者の離職につながり、更に「人手不足」に陥るという負のスパイラルを招きます。

「人が少ないのだから、どうしようもないじゃないか。」と経営者の方から切実な声が聞こえてきそうですが、本当に「どうしようもない」のでしょうか。少ない人数で業務を回すオペレーションを考え出した企業もあります。あるいは現有人数で運営可能となるように店舗数や店舗面積を減らし、加えて営業時間を短くすることで売上高は減少したが、コストを縮小して今まで通りの利益を確保した飲食業もあります。

残念ながら日本国内において、「人手不足」が解消することは当面期待できそうにありません。であれば「人員を確保することは難しい。」ことを前提に存続可能な事業の運営方法を考え直すべきではないでしょうか。一過性の長時間労働には労働者も理解をしてくれますが、先の見えない長時間労働には付き合ってくれません。その事を忘れて安易に従業員の長時間労働に頼ってしまうと、事業運営が不可能となる「人手不足」を招きかねませんから、できるだけそうならないように早く対策を考えましょう。

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