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No.72話: 労働者の「キャリア形成」には、会社は積極的に支援すべきです。

これから成長が有望視される産業を活性化するには、その産業に必要な労働力を集める必要があります。すなわち成熟産業から成長有望産業への「労働力の移動」の促進であり、いわゆる「雇用の流動化」といわれている国家レベルでの問題です。そして、この「労働力の移動」を進めるには、成長産業が求めるスキルを労働者が身につけていることが不可欠になります。

この「労働者が成長産業で必要なスキルを身につける。」ことは、国や企業のみならず労働者本人にとっても「雇用を安定させる」という大きな意味を持ちます。何故ならば成熟産業で培われた、そして世間では陳腐化してしまったスキルや技能のみを有しているだけでは、その産業が消滅してしまえば自分の職を失ってしまうことになるからです。

だからこそ、新しい時代に求められるスキルや知識、経験を労働者が獲得するために、大学などの学校での学び直し「リカレント」や、職場での新しいスキルの習得「リスキリング」といった新しい「キャリア形成」が必要であると最近、いわれるようになりました。

このような「キャリア形成」は労働者自らが「これからは、脱炭素に関連する知識が必要だ。」「WordPressを扱えるようにして、ネットでのPR技術を習得するぞ。」と目的をもって積極的に取り組むことができれば良いのですが、実際には「何を学び直せばいいのか。」「どんなスキルを身につけておけば新しい事業で活躍できるか。」といった「テーマがわからない。」という問題に直面する労働者の方が多いのではないでしょうか。

そこで必要になるのが「テーマがわからない。」労働者に「何を学ぶべきか」を示す羅針盤に会社がなってあげることだと思います。会社自体が成長を期待できる新しい産業に参入しようと考えているのであれば、その産業に必要なスキルや知識を身につけてもらうことを労働者に求めることができます。

あるいは現在、労働者が従事している業務に関連するもので、これから成長が期待できるスキルや取得しておけば必要とされる資格を教えてあげられるのも会社なのではないでしょうか。労働者が「これからの社会に必要かもしれない。」という理由で、全く経験のないスキルや技能の習得にチャレンジするよりは、今までの経験を活かせるものの方が取り組みやすいですし習得も容易になる筈です。

こういった労働者が従事する業務の周辺にある、新しい技能や資格、あるいは当人の適性に適うようなスキルといったものは本人では気がつきにくいものです。客観的に労働者の業務を観察している会社や上司だからこそ助言できることではないでしょうか。

ただ、こういった新しいスキルや技術を身につけるとその労働者が他社に移って、その技能をその会社で活かしてしまい「リスキリング」の機会を提供した自社が手痛い「しっぺ返し」を受けてしまうのではと危惧し、影響の低いスキルに「リスキリング」の対象に限定しようと考えるかもしれません。しかし、これでは「リスキリング」の効果は期待できないです。

このようなリスクを覚悟してでも、労働者の「キャリア形成」を支援することが大切であると思います。そのことは必ず新規事業にチャレンジするあなたの会社に様々な形で返ってくるはずですから、恐れることなく「キャリア形成」支援に取り組みましょう。

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