『人事労務戦略』構築専門のコンサルタント 株式会社サムライズ

No.73話: 「職場のハラスメント」対策に大切な3つのこととは。

「嫌がらせ・いじめ」を意味する英語「ハラスメント(Harassment)」は、「パワーハラスメント(パワハラ)」「セクシャルハラスメント(セクハラ)」などで使われています。そして、職場で発生する「パワハラ」「セクハラ」は、今日において大きな社会問題となっています。

「職場のハラスメント」は被害を受ける従業員に大きなストレスとなり、「うつ病」や「適応障害」などの深刻な「心の病」を引き起こします。一度このような「心の病」を発症すると回復までに時間が掛かり、長期の欠勤を余儀なくされ被害従業員に身体的のみならず、経済的な損害をもたらします。

また、ハラスメント行為従業員も会社からの処分を受けることになり、場合によっては会社を辞めざるを得なくなることもあり得ます。そうなれば「自業自得」とはいえ、一時的に収入を失うことになりますし、被害従業員から損害賠償を求められるとさらに経済的な損害を受けることになります。

一方で会社は被害従業員、行為従業員の2人を退職や休職によって失うことになれば人的損害を被りますし、被害従業員からハラスメント行為の「使用者責任」を問われ行為従業員同様に損害賠償を請求されることも考えられます。また、ハラスメント事案が世間に流れることで社会的信用を失い「取引停止」や「売上げ減少」といった事業業績に影響が出ることもあり得ます。

また、他の従業員のモチベーションも下がり、会社への不信感から退職者が出る一方で、人員補充のために求人募集しても応募が来ないことにもなりかねず、事業運営に支障が生じることも考えられます。すなわち、「職場のハラスメント」は会社の存続に関わる大きな問題であり、「単なる従業員同士のトラブルで会社は関係ない。」と安易に考えるべきものではないということです。

このようなことから多くの企業で「職場のハラスメント」を防止するために、様々な取り組みを真剣に実施するようになりました。また、国も企業に対して、「セクハラ・パワハラ」防止のための措置を講じることを法律で義務付けるようになりました。このように社会全体に「職場のハラスメント」を無くそうとする気運が高まってきているのです。

私も職務上、クライアント企業から「職場のハラスメント」の相談を受ける機会があり、近年はその回数は増えてきています。また、従業員の方から直接「パワハラ」「セクハラ」の被害に関する相談を受けて、解決に向けた助言をさせていただいたことも数知れずありました。このような貴重な機会をいただいた中で私が感じた、「職場のハラスメント」への企業の対応ポイントは次の通りです。

「1.継続的なハラスメント研修の実施」

従業員の「職場のハラスメント」防止の重要性への理解は経営者よりもまだまだ低いと思います。従いまして、従業員の理解度を高めることは「職場のハラスメント」防止につながります。しかし、ハラスメント研修は一過性のものでは理解度向上の効果が弱いですから、継続的に少なくとも年1回は定期的に開催するべきです。

「2.ハラスメント事案の早期発見、早期解決」

どれだけ「職場のハラスメント」防止研修を実施しても、人は無意識の内に他人を攻撃し、傷つけてしまいます。そのため「ゼロ・ハラスメント」はどうしても難しいといわざるを得ません。そこで重要なことは生じてしまった「職場のハラスメント」が深刻な事態に発展する前に早く「芽を摘む」ことです。そのためには「職場のハラスメント」を「早期発見」「早期解決」すべく、「相談窓口」の設置など職場からの情報を収集する「仕組み」を構築することです。

そして、最後に「3.再発防止の徹底」です。

前述の通り「ゼロ・ハラスメント」は困難かもしれませんが、一度発生した「職場のハラスメント」と同様の事案が同じ職場、ましてや同じ行為従業員によって再発することは絶対にあってはならないと思います。「職場のハラスメント」が発生すれば原因を究明し、再発防止に向けて原因に基づく防止策の実施、そして行為者、およびその職場の他の従業員への再発防止のための啓蒙研修の徹底等を行いましょう。

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