『人事労務戦略』構築専門のコンサルタント 株式会社サムライズ

No.77話:「会社を良くする。」という意思をもって「配置転換」を命じましょう。

いわゆる「ジョブ型」ではなく、「総合職」といわれる「メンバーシップ型」で従業員を雇用している会社では、労働契約や就業規則にもとづいて従業員の職務、部署、勤務先を変更することができます。このような「配置転換」を命じられた従業員は、配慮が必要な特別な事情がない限り「配置転換」に応じなければなりません。

「配置転換」先が従業員にとって希望していたところや昇給、昇格など自身にとってメリットの大きなものであれば、従業員もすんなりと受け入れてくれるので、人事労務上大きな問題はなく円滑に進めることができます。

一方で会社側には必要な「配置転換」であっても、従業員にとって「意に沿わない」場合もあります。明らかに従業員が希望していない職務、部署、勤務先への異動、「懲罰的」な異動といった外部からみられ本人のプライドを傷つけてしまうケースです。また、現在の職場が本人にとって職務、人間関係などが「ベスト」の状態で、「できればこのまま、この職場でもう少し頑張りたい。」と思っているときの「配置転換」は、「意に沿わない」ことになります。

「意に沿わない」状態で「配置転換」先に異動した場合でも、会社の意図を理解し従業員が気持ちを切り換えてパフォーマンスを発揮してくれればよいのですが、「配置転換」への不満を抱えたままで期待したパフォーマンスを発揮してくれない場合もあります。あるいは「転職」を選択する従業員もあり得ます。こうなりますと「配置転換」が逆効果となってしまい会社にとって大きな損失です。

「配置転換」は会社全体の業績向上につなげていくことを目的としています。あわせて従業員個人にとっても新しい職務、部署、勤務先で、これまでと違う知識やスキルを獲得し、なお一層の能力の高みを目指してもらうために会社は「配置転換」を行っています。従いまして、以上のような目的を達成するためには従業員に不満を抱えたまま「配置転換」先に異動させてはいけないということです。

従いまして、「配置転換」を命じる際には必ず上司や人事、あるいは経営者が面談をし、経営上の目的と従業員に発揮して欲しいパフォーマンスを明確に伝えることが大切です。疑問点や不安なことがあれば丁寧に回答して上げて下さい。会社が意図する目的を100%理解し、納得して「配置転換」先に異動することは難しいかもしれませんが、説明を受けて異動先に行くのと、説明もなく異動するのとでは全く効果が異なってくると思います。

なお、間違っても「配置転換」は「命じる。」のであって、事前に内示し「応じるか、否か。」を確認すべきではありません。拒否された場合は「配置転換」を取りやめるわけにはいかないからです。ただ、人事に混乱をきたすだけです。だから選択肢を設けずに「配置転換」は「命じる。」に徹してください。

いずれにしましても、「配置転換」は事業業績の向上につながってこそ意味があり、成功と言えます。単に辞令の「発令」にとどまらず、「説明」を交えて慎重に行うようにしましょう。

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