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No.79話:あなたの「怒り」の感情の風船が破裂する前にできることがあります。

人間という生き物は「喜び」「悲しみ」「怒り」といった感情を有しています。そして、この感情が行動に大きく影響することがあります。「喜び」を感じれば俄然、意欲的に行動を起こします。「悲しみ」を感じると寝込んでしまったり、ふさぎ込んだりして行動を起こす気にさえなれなくなることもあります。では、「怒り」を感じるとどうでしょうか。

人は「怒り」を感じると大きな声で「怒り」の対象に怒鳴ったり、威嚇をしたりします。その対象が自分であれば自身の頭を叩いたり、「情けない」と自己批判をすればその内に自分の中で解決ができます。しかし、対象が他人であれば怒鳴るだけでは済まず、暴言や暴力をふるってしまいかねません。こうなると取り返しのつかないことになります。

こういった「怒り」が職場において部下や後輩に対して向けられ、暴言や暴力に至ってしまうと「パワーハラスメント(パワハラ)」となります。これは加害側、被害側にとって不幸な出来事です。そうならないためには「パワハラ」に至る前に「怒り」をコントロールすることが大切になります。いわゆる「アンガーマネジメント」ですね。

ではどうするのかということですが、小さな「怒り」が湧いてきたときにまず冷静になろうとすることです。肝心なことはできるだけ「怒り」が小さいときに「自分は怒っているぞ。怒っているぞ。」と客観的に考えることです。そして少し感情が落ち着いたら「なぜ、自分はこれほど怒り心頭な状態になっているか。」と怒りの原因を考えるのです。

次に怒りの原因がわかると解決のために何をすべきかを考えてみましょう。例えば同じミスを繰り返す部下に対しては、「自分の教え方が悪かったのでは。」と考えてみます。その場合は「教え方を変えてみる。」「教える人を自分ではなく、別の先輩社員に変わってもらう。」といった解決策を検討することができます。

あるいは「自分の教え方はいろいろ工夫したが、問題はない。」という考えに至るかもしれません。この場合は「この人にはこの業務の適性がないのかもしれないから、他に適した業務のある部署への異動を提案してみよう。」とか「残念ながら我が社には適した業務がない。できれば早めに適した業務のある会社に転職したほうが本人のためになる。」という結論が導き出されるかもしれません。

以上のように、自分の「怒り」の原因を探って解決策までに考えを巡らしていると「怒り」という感情はすでに収まってしまっていると思います。また解決策を同僚や人事、あるいはカウンセラーに相談してみるのことも一つの方法ですね。

 

いずれにしましても、「怒り」を放置していたり、抱え込んでしまうと風船に空気を送り続けるのと同じで、やがて破裂してしまいます。「怒り」という感情の風船が破裂する前に早く手を打つことが大切です。経営者や管理職であるあなたが「怒り」を爆発させては元も子もありません。くれぐれも「怒り」という感情が沸点に到達する前にコントロールすることを心がけましょう。

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