『人事労務戦略』構築専門のコンサルタント 株式会社サムライズ

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No.84話:従業員を「雇う」ことの重みと向き合うこととは。

正規社員であれ、非正規社員であれ従業員を雇用するには、求人広告を出し、届いた履歴書等の書類を選考し、会場を用意して面接を行い、採用試験を実施し、熟慮を重ねて採用を決定する等、会社として相応の時間、経費、労力を費やしていると思います。

これだけのエネルギーを掛けて雇用したにもかかわらず、「管理職として雇用したのに、期待した成果を上げてくれない。」「粘り強く教育指導を行っているが、一向に業務遂行能力が向上しない。」という事態に直面すると頭を抱えたくなりますね。

それだけならまだしも、「上司や同僚と争いごとを繰り返す。」「顧客や取引先への対応が悪く苦情が絶えない。取引きが停止になった。」といったトラブルメーカーであったりすると「なぜ、こんな人材を雇用してしまったのか」と怒りが爆発しそうになります。

そして、採用のときの思惑通りに従業員が働いていないと、どうしても頭をよぎることは「いっそのこと、辞めてもらおう。」と考えてしまうのは無理のないことと思います。しかし、「雇用契約の継続が難しい。」と判断する前に考えていただきたいのは、相手は一人の人間であってモノではないということです。

「そんなことは解っている。こちらも困っているのだ。」とお叱りを受けそうですが、辞めてもらおうと思っている従業員の採用を決断したのは会社であることを思い起こしてください。

確かに、自分以外の人間を雇用して働いてもらうことは想像以上に大変なことです。実際に経営者として職場環境や人間関係、従業員の生活・家族といった広い範囲への配慮は不可欠です。しかし、配慮に配慮を重ねても思い通りに働いてもらえないことも当然あり得ます。

「期待通りに、思惑通りに働いてくれない。」「トラブルばかり起こす。」という実情に直面して悩んだ末に「解雇を選択したい。」というお気持ちもよく解ります。しかし、それでも採用を決断したのは会社であり、経営者ですから従業員の雇用には責任があるということを再度認識して欲しいと思います。

「決断に至るまでに十分に様々なことに取り組んでいるよ。」との反応もいただきますが、更に「もっと教育指導はこうすべきではないか。」「こういう上司がついていれば、上手くいくのではないか。」といったことを考えて欲しいのです。

従業員もひとつの会社で働くことに相当の覚悟をもって臨んでいると思います。「一生懸命、この会社で働きたい。」と夢や期待をもって入社しているはずです。だから「これ以上雇用を継続できない。」と決断する前にもう一度だけ、他に改善のための方法がないかを考えていただきたいと思います。

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