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No.86話:従業員が難易度の高い仕事にトライできる職場にあるものとは

北京冬季オリンピックの話題で世間は大いに盛り上がっていますね。先日のスノーボード「ハーフパイプ」競技においては、平野歩夢選手が最終滑走を前に2位以上が確定しているにも関わらず、果敢に難易度の高い技に挑戦し見事逆転優勝し金メダルを獲得しました。

平野選手の挑戦は昨年の東京オリンピックのスケートボードでの、堀米雄斗選手がさらに上位の成績を狙って「失敗」というリスクを顧みず、得点の高いレベルの技にトライして成功させて見事優勝したシーンにシンクロします。(その時にテレビの解説者が発した「ゴン攻めだ!」という言葉も有名になりました。)

彼ら二人の若者の挑戦する姿勢を見ていると我々オジサン・オバサン世代は、「無理をしないで銀メダルで満足してもいいのでは。」と思わずにいられなくなります。フィギュアスケートのように競技によっては、難易度の高い技に失敗して点数が下がりメダルさえも逃してしまう可能性もあります。羽生結弦選手の場合だと「4回転アクセル」という超難易度の高い技にトライしなくても、彼の実力であれば演技構成によってメダルを獲得するチャンスはいくらでもあったはずですから、「なんでわざわざ」と思った方も多かったのではないでしょうか。

しかし、彼らの「ゴン攻め」は日本よりもむしろ海外で称賛されています。これはスポーツに限らずビジネスにおいてもみられる傾向のようです。日本においては、実現の目途がつかない夢のような事業には「やめておいたら。」と制止がかかるか、事業を開始しても投資の対象としてもらえません。従業員の仕事においても同様に新しいチャレンジには、上司や経営者からブレーキをかけられることが多いのが実情です。

一方で海外では夢のような事業でも「おもしろい」と思われれば、銀行のみならず多くの出資者から資金を集めることができます。電気自動車テスラのイーロン・マスク氏が近年では顕著な例で彼の事業は当初、日本では見向きもされませんでしたがアメリカで多くの資金を集めて、事業の成功につなげて今日に至っています。万が一マスク氏にように事業が実現できなくても、アメリカではまた別の新しい事業を考えてトライすることも可能です。

日本においてはこうは行きませんね。「海のものとも、山のものともわからないもの」には否定的に見られます。万が一、事業に失敗すれば再チャレンジすることは難しいといわれています。従って日本社会では「挑戦する。」「トライしてみる。」という気運が海外に比べて弱いのです。その結果、21世紀に入ってから日本産業の凋落を招き、欧米の産業と大きく差を開けられてしまったといわれています。

産業のみならず、国内企業の職場でも然りではないでしょうか。「出る杭は打たれる。」ではないですが多くの場合、他人より抜きんでて活躍する従業員は敬遠され、その行動を抑え込まれてしまう傾向にあります。

収益が向上する提案をしても取り上げられず、放置されてしまうようでは従業お印もその会社に魅力を感じなくなります。一方で海外企業や新興企業において積極的に新しい提案を受け入れる土壌があれば、彼らはそちらに転職する事態もあり得ますし、実際に起こっています。

スポーツ界に限らず、失敗を恐れずに勇気をもって挑戦する人材は宝物です。彼らのチャレンジ精神を受け入れられない組織には「衰退」が待っています。そうならないためにも「失敗」に対して寛容な考え方に改め、受け入れられる職場環境に変えていく努力をしてみてはいかがでしょうか。

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