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No.89話:企業の永続につながる労務管理の要諦とは

ロシアのウクライナ侵攻に端を発した、日本を含めた西側諸国によるロシアへの経済制裁が厳しさを増しています。この政策により停戦となればいいですが、残念ながらいまだに予断を許さない状態です。

一方でこの経済制裁はロシアから天然ガス、石油といった燃料資源の提供を受ける国々にとって燃料価格の高騰という経済的ダメージを受けることにつながります。このことは海外からの資源供給に依存する我が国も例外ではありません。すでに天然ガス、ガソリンといった燃料は消費財の価格にも影響し、実際に食料品などの「値上げ」に表れ始めています。また、今まで極めて低位で推移していた長期金利も上昇トレンドに移り始めており、日本国内において物価の上昇が懸念されています。

一方で過去30年間の日本の労働者の平均賃金は先進国の中で最も上昇していません。今まで物価が低位で安定していたことから国民生活に深刻な影響は表れていませんでしたが、前述のように今後はインフレが予見されますから賃金が上がらないまま物価が上昇するという好ましからざる事態が懸念されます。

つまり、日本において「リーマンショック」クラス以上の不況が目の前に訪れることが予測されます。ただでさえも2年に及ぶコロナ感染対策による「自粛」で経済活動が停滞している中、さらに資源高による不況が襲い掛かると残念ながら多くの企業が立ち行かなくなりかねません。

このようなリスクを目の前にして「今さら」と感じるかもしれませんが、経営者の皆さんはその備えをしていますか。今後の企業業績を予測すれば「収益が低下するので、これまでのような賃金や賞与は支払えない。」「事業縮小をせざるを得なくなるので、余剰人員を解雇せざるを得ない。」等を考えざるを得ないのではないでしょうか。

「状況が好転するかもしれない。もう少し様子を見よう。」「そのような事態にならないと対策は検討できない。」という考えざるを得ない状況は十分理解できます。しかし、最悪の事態を前もって考えておくだけでも行っておくべきではないでしょうか。残念ながら世界経済は混迷期に入ってきているように感じますし、「第3次世界大戦」ももはや空想の話ではなくなるかもしれません。

「万が一、不測の事態で事業が立ち行かなくなり、売上が全くなくなっても3年間は今まで通り従業員に賃金を支払っていけるように資金は確保している。その3年の間に従業員に頑張ってもらって新しいビジネスを開発して緊急事態を乗り切る。」と体制を整えている会社も世の中にはあります。企業の規模や収益体質もあるため、すべての会社がここまでの準備ができるとは思いませんが、各社でできる対応や不測のときのシミュレーションは行っておくべきではないでしょうか。

リスクはどんな会社にも常に身近にあります。そのリスクに突如にして遭遇し、右往左往していては会社もダメージを受けますが、従業員も生活に困窮を招きます。「常在戦場」といえば大げさかもしれませんが、「大きなリスクは目の前にある。常に備えよ。」の気持ちでこの不測の事態を従業員とともに乗り越えたいものです。

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