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No.90話:管理職の担い手がいない理由とは

「若手社員に優秀な者がいたので、思い切って管理職に抜擢しようと思って本人に打診したら、ものの見事に断られてしまった。何が不満なのかわからない。」というお悩みを多くの経営者から伺います。

最近の若い方は責任や負担のかかる仕事をやりたがらないし、自分から積極的に管理職になりたがらないといわれています。その背景として仕事よりも自身のプライベートを優先する傾向が強くなっていることがあるようです。

確かに「仕事よりプライベート」を優先する傾向は要因の一つかもしれませんが、それだけで管理職を拒絶するには少々、理由としては弱いように思います。実は昨今では管理職であっても過去のようにプライベートを犠牲にして働くタイプは減っているといわれています。また、会社のほうもプライベートも充実させている人の方が管理職に適しているとみているようです。

そして、この「管理職になりたがらない若手社員が多い」という傾向は、必ずしも全ての企業で当てはまるということではないようです。一部の企業では積極的に自分から手を上げて管理職にチャレンジするという事例もあります。

では、管理職に意欲を示すか否かの違いは個人の「好み」ということでしょうか。私は単純にその会社の管理職に「魅力があるのか。」そうでないのかが問題なのではないかと思っています。すなわち管理職に魅力を感じれば若い人でも進んで手を上げますし、魅力がなければ若い人に限らず誰も積極的になろうとは思わないのではないでしょうか。

では、魅力を感じる管理職とはどういったものなのでしょうか。ひとつには仕事の内容によると思います。管理職の仕事は責任と負担を伴うもので避けて通ることはできません。しか、それでも管理職を「やってみよう。続けてやろう。」と思うのは、その仕事は「面白い」からということに尽きるのではないでしょうか。ツライだけで面白くもなく、やりがいも感じない仕事に誰が進んで就こうと思うわけがありません。

そして、もう一つ重要なことがあると思います。仕事の「面白さ」は確かに重要なファクターですが、それだけでは物足りません。責任や負担の重さに応じた報酬(賃金)が支払われていることも大切な要素です。職責の重さに比べて報酬が一般従業員に「毛が生えた程度」では、例え仕事が面白くても「報われていない。」と感じるのではないでしょうか。そして、そんな報酬以上の負担が伴う管理職の仕事を見て後輩が「自分もやってみたい」と思えるでしょうか。

「『キミも今日から管理職だ。思う存分に能力を発揮して会社のために頑張ってくれ。』と熱い言葉でお願いすれば管理職になってくれるはず。」「報酬じゃないよ。会社の明日を担うというやりがいが重要だ。」と経営者が一方的に彼らに期待することは勝手ですが、少々虫が良すぎることにそろそろ気付くべきだと思います。

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