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No.101話:従業員に抜擢人事を快く受け入れさせるためには。

「優秀な人材がいて、まだ20代ですが新設した部署の責任者に抜擢しようと思っていました。ところが事前に異動について内示してみたところ、『絶対に無理です。私の能力や経験ではミッションをクリアできません。他の方にお願いしてください。』と断ってきました。しかも異動を強要するのであれば退職するとまで言い出しています。どうすればよいでしょうか。」というご相談を経営者からいただきました。

実はこの手の相談はよくある話なのです。皆さんも少なからず経験し、せっかく構想していた新しい事業の運営がスタートの人事からつまずき、頭を抱えたことがあるのではないでしょうか。とりわけ近年は「ワークライフバランス」への関心が高まっていることから、自分の生活に必要以上に負荷のかかる仕事を敬遠する傾向が若い方を中心に広まっています。新たな仕事に「挑戦する」ということに対しても、「不安」という気持ちが勝り躊躇する人も多くなっているようです。

確かにこのような昨今の仕事に対する考え方の変化に、過去の考え方であらがうことは困難なのかもしれません。しかし、事業の永続的発展を経営者が考える以上、中心となる事業や新規事業を担ってくれる人材を投入することは必要なことです。「私には無理です。」と言われて「ハイ、そうですか。」と引き下がるわけにいきません。人事異動は雇用契約、もしくは就業規則で明記している以上は従業員側に配慮すべき事情がない限り、会社がその権利を行使しうるものです。人事異動の拒絶を「辞められたら困る」というだけで、唯々諾々と受け入れていては他の従業員に悪影響が出てしまい、組織維持ができなくなってしまいます。

「この職責は、この人にお願いしたい。」というような、会社にとって企業の将来を左右するような人事については「必ず受け入れさせる。」強い意志をもって臨むべきです。そのためには「彼なら大丈夫だろう。」「彼女なら快諾してくれるだろう。」という安易な思い込みで人事を進めるべきではないということです。

重要な人事を成功させるためには例えば、目星をつけた人材には新規事業の企画から参加させて、その事業に興味を持たせることや「事業の組立てたに自分が加わった」という責任感を醸成させ、自ら「是非やってみたい。」とポジティブに考えられるような状況を作り上げることです。

もしくは、その人が抱く「不安」を取り除くような情報の提供や会社として支援できるような環境の提供を提示してあげることです。もちろん必要以上の「譲歩」と見られるような条件提示はすべきではありませんが、その人にその仕事を「お願いしたい」理由を丁寧に説明するとともに、その職務を遂行「できない」という理由、抱いている「不安」を詳しく聞いてあげることが不可欠です。くれぐれも「あなたなら絶対にできる。」という根拠のない理由で説得することはしないようにしてください。

いずれにしても、会社にとって重要な事業に関する人事は必ず成功させて、事業を正常に進めなければなりません。「無理です」といって人事異動を断られるのは、それまでの工夫が足りないからです。人事を成功させるためにも事前に「一工夫」「二工夫」するように心がけましょう。

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