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No.102話:求職者にあなたの会社で「働きたい」と思わせるには。
2022.06.08
毎年1回、新卒就職予定者の人気企業ランキングが公表されていますね。どれもこれも有名な大手企業ばかりです。私が学生時代の求職活動をしていたころは「バブル経済」が始まる直前で、「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と世界からもてはやされた日本経済が絶頂期の頃でした。その当時の人気企業は金融関係が上位を占めており、記憶に間違いが無ければ「東京海上火災保険(現:東京海上日動火災保険)」が1位だったと思います。いずれにしても年代ごとに「流行り廃り」はありますが、その時代において勢いのある企業が上位を占めていますね。
もちろん、この手の人気企業に誰でも入社できるわけではありませんが、求職活動をする学生が「この会社に入りたい。」と思う気持ちが強いことには変わりありません。ではなぜ彼らは「この会社に入りたい。」と思うのでしょうか。「給料が高い。」「福利厚生が充実している。」など確かにそういったことが大きな選択理由になっていると思います。しかし、最近の学生など若い人はどうもそれだけではないようです。
学生や20代の社会人を対象としたある調査会社のアンケートの結果によると、就職先を選ぶ基準として「年次有給休暇の所得のしやすさ」「時差出勤・フレックスタイム制の活用度」「テレワークの普及度」「人材育成への取り組み度」など、「ワークライフバランス」や労働者自身のスキルアップにつながる教育体系への配慮を重視しているようです。一方で給料や福利厚生の充実度には彼らは思った以上に重視しているわけではないようです。
このような若者の意識を踏まえずに給料が高いことだけを提示しても、残念ながら彼らがその会社に興味を示さないのは当然ということになります。
あるいは、給料が高いだけで「年次有給休暇は取りにくい。」「長時間労働が常態化している。」「自分が成長していることが実感できない。」といった職場であれば彼らにとっては「魅力のない」会社でしかありません。
一方で、給料は高くないが「仕事が面白い。」「上司、先輩が素晴らしく、尊敬できる人が多くいる。」「私生活が仕事に侵害されない。」「難しい仕事を任されるが、やりがいを感じる。」「日々、自分が成長していることを感じる。」「同年代の人より、技能や資格を早期に身につけることができる。」などの実態があれば、その会社(職場)は彼らにとって「魅力のある」会社であり、できるだけ長く勤めたいと希望すると思います。また、そういう会社があると聞けば当然彼らは「その会社に入りたい。」と思うはずです。
そして、上記のような職場は何も大企業でなければ提供できないとは限りません。
「同僚との人間関係を大切にしよう。」「若い人でも新しい仕事に挑戦させてみよう。」など、少しの考え方の見直しで職場の雰囲気は変わっていきますし、このようなことを続けていれば会社の魅力も上がっていくのではないでしょうか。
いずれにしましても、「給料さえ高ければ誰でも来てくれる。」というお考えをそろそろ改める時季が来ているということではないかと思います。
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