『人事労務戦略』構築専門のコンサルタント 株式会社サムライズ

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No.104話:経営者の「経験と勘」をさらに研ぎ澄ますものとは。

「Aさんは面接のときに何となくちょっと違うなって感じていた。やっぱり職場でトラブルを起こしたか。」「直属の上司は難しいといっていたが、僕はBさんなら主任の仕事を見事やり遂げると思っていたよ。」など従業員の人物鑑定の話は経営者の方からよくお聞きするお話です。

経営者の方は長い事業運営人生の中で様々な経験をしています。その経験によって培われた感覚は「商売」はもちろんのこと、「人事労務」についても正しい判断を導くことに役立っていると思います。例えばある従業員の行動が周囲の同僚には違和感なく映っていたにもかかわらず、その会社の社長が「何かおかしい。彼の取引先との伝票と入金を確認してみて。」と指示を出したところ、架空取引きが発覚したという事件がありました。部下が「何故分かったのですか。」と聞くと「何となく感じたんだ。」という回答。こればかりは理屈では説明ができないのですが、概ね当たっていることが多いのですから驚きです。

このように経験から研ぎ澄まされた感覚というか「勘」というものは、科学的に説明がつかないものの「当たっている」ことが多いようです。しかし、更に凄いことは優れた経営者ほど「勘」は「勘」として尊重しつつも、鵜呑みにしていないということです。彼らが言うところの悪い予感については「杞憂」に終わればよく、念には念を入れて調べています。自分の「勘」だけで従業員を判断することほど危険なことはないということをご存知です。

特に人事労務においては、間違った判断は大きな禍根を残すことになります。そうならないために、最新の人事労務に関する情報や法律改正の情報を熱心に収集されています。近年は「働き方改革」の政府の取り組みにより法律が1年毎に変わっています。また労働者の意識も変化しています。このような情報を正確に持っているか否かでは人事労務に大きな差が出てしまいかねませんから、真剣に情報収集に取り組んでいると感じます。

また、情報収集や整理だけでなく我々のような専門家に適宜意見を聴くことで、より深い知識を得ようとしています。こういう努力をしているからこそ、経験から得た感覚や「勘」に更に磨きがかかり、事態が大きくなる前により正確な判断が下せるのだと思います。

私が実際に伺った事例では、「この数日、彼女の顔色が悪い。何か悩みを抱えているのでは。」という、社長のこの「気づき」がきっかけとなり家族の介護疲れのため健康を害していることが分かり、介護負担を軽くすることに会社が協力することに繋がりました。感覚や「勘」は確かに非科学的ですから頼りすぎることはあってはなりませんが、感覚や「勘」を研ぎ澄ますことで職場の課題を探るきっかけになり、解決に至れば有益だと思います。それがひいては従業員満足をもたらせればいうことはないと思います。まさしく「勘」を侮ることなかれですね。

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