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No.105話:乾いた雑巾を絞れといわれても。

厳しいエネルギー事情によりこの夏が猛暑となった場合に電力の供給が逼迫することから日本政府は「節電」への協力を呼び掛けています。日本国民として「節電に協力しなければ」と思いつつも、「電力供給について国としてもう少し取り組むべき政策があるのではないか。」と疑問に感じてしまいます。

政府もできる限りのことを考えた上での「節電」の呼びかけをしていると信じたいのですが、政策として「国民の行動」に期待をするようでは無策といわれても仕方がないと思います。先の大戦でも「食料の配給」や「金属の供出」など国民生活に必要以上の負担を強いる政策が行われましたが、残念ながらこの状態では政策としては「詰んでいる」と言わざるを得ない状態ではないでしょうか。

このことは会社の事業運営も同じ話だと思います。「使用しない消耗品を削減する。」「人数に適した広さのオフィスに転居。」など会社としてムダな経費を抑制することは当然あってしかるべきと思います。しかし、一方で従業員に過剰とも思えるような経費削減を求めることは様々な面からデメリットが大きいと思います。

例えば、多少暗くなっても業務に支障がないとオフィスの天井ライトを何本も抜く、あるいは稼働するクーラーを減らして、扇風機で対応するといった経費削減は効果の割に従業員のマインドが暗くなって「この会社、本当に大丈夫かな。」と不安を掻き立てるといったマイナス効果の方が大きいのではないでしょうか。

徹底した経費削減を意味する「乾いた雑巾を絞る。」という言葉は最近では使われなくなりましたが、乾いた雑巾はどれだけ絞ってももう水は出てこず、手首が疲れるだけです。こんなことを今の労働者にお願いした途端に、「ヤバいぞ。我が社は。」と早々に見切りをつけられて退職されてしまうのが落ちです。

このような効果の薄い経費削減を呼びかけるよりも、経営者として「宣伝費がかかってもいいからもっと売り上げを伸ばして欲しい。」「銀行から資金を融通してもらうから、成果が出るようなアイデアを考えてくれ。」と労働者に叱咤激励してくることを望んでいるのではないでしょうか。会社が苦しい状況だからこそリーダーらしいメッセージを労働者が待っていることをお忘れなく。

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