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No.107話:法律遵守は人を雇う上での揺るぎのない大前提です。

厳しい企業実態や募集しても集まらない人員を前に「法律を守らなければならないことは分かっているが、法律を守っていては事業運営ができないよ。」という経営者がいます。経営者としてのご事情は察するに余りありますが、「それはダメです。」と敢えて申し上げます。

残念ながら経営者の中には労働者を雇用する上で重要な法律である労働基準法や労働安全衛生法、労働契約法を守ることを「軽く」考えている方がいます。法律を守らなければ雇用継続の秩序や安全が失われ、極端な場合は労働者の生命、財産が失われかねません。従って、決して「軽く」考えることではないということです。

例えば、あなたの会社が取引先から法律上の安全基準がある機械を仕入れて販売する企業だったとします。しかし、その取引先が安全基準に合格していないことを隠ぺいして機械を下ろしていることがわかり、販売会社であるあなたの会社が損害を被った場合には当然、取引先に賠償を求めることになります。何故なら、その取引先は法律を守って機械を製造することが当然求められており、それを怠って製造しているのですから当然「不法行為」であり、取引先には損害賠償義務が生じます。

何よりも法律を守っていない機械を製造して卸しているその取引先に、あなたは会社の経営者として「法律を守っていないなんて信じられない。」と怒りを感じ、不信を覚え二度と取引きを行わないと思います。また、その取引先も世間からの信用を失い、あなたの会社以外との取引きも停止され存続が難しくなると思います。

以上のように通常の商取引では、関連する法律を各企業が誠実に遵守していることを前提に行われています。「法律の基準どおりの製品を作って、販売していたら儲からないし、会社が潰れてしまう。」という理屈は通用しないのです。しかし、労働者を雇用する場合においてはどうでしょうか。「法律どおりに時間外手当を計算して支払っていたら、人件費で会社が潰れてしまう。」「人が少なくて現場が回らない。休日返上、長時間労働は仕方のないこと。従業員も理解してくれている。」等といって結局は労働基準法などに抵触した雇用管理をしていないでしょうか。

残念ながら労働者も経営者のみなさんと同じ考えです。すなわち「法律を守っていないなんて信じられない。」と怒りを感じているはずです。経営者が信じたい「労働者は会社の現状を理解している。」と思っている労働者ばかりとは限らないのです。法律を守らない会社には不信を感じ、タイミングに差はあれども「いずれはこの会社と雇用契約を解除しよう。」と思う労働者が多いのではないでしょうか。そのような状況になれば益々「人材が集まらない。」という事態を招き、それこそ事業継続が難しくなる状態を招きかねません。

思い起こしてください。十数年前に建築基準法を守らないマンションを建築し、販売している会社がどうなりましたか。事業運営において「法律は守って当たり前」なのです。この法律には労働基準法、労働安全衛生法といった労働関係法も含まれることをくれぐれもお忘れなく。

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