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No.112話:従業員数が何人になれば人事評価制度をすべきか。
2022.08.17
「我社も従業員数が増えてきたので、そろそろ人事評価制度を整えたいのだが。」あるいは「従業員数が何人ぐらいになれば人事制度を導入すべきか。」というご相談を頂くことがあります。昨今、人事評価制度は「働き方改革」における「同一労働同一賃金」の推進により、規模の大小を問わず企業の関心が高まっています。なぜなら「同一労働同一賃金」は「同じ仕事をしていれば、同じ賃金が支払われる。」という考え方であり、同じ仕事をしている同僚と賃金が違うのであれば、当然その根拠が必要となります。その根拠となるものが人事評価制度となるからです。
また、もう一つの理由として以前より「同じ時間で働いている従業員であれば、より頑張っている(成果を出している)人に、より多くの賃金を支払いたい。」「頑張れば賃金で報われる仕組みを作ることで、従業員のモチベーションを高め、ひいては会社の業績向上につなげたい。」という経営者の思いがあります。
以上を背景として、従業員に対する客観的な基準として人事評価制度の整備を検討する事業所が増えてきているのです。とはいうものの、一口に人事評価制度といっても様々です。実際のところ、それなりの制度を構築するとなると時間も費用も必要となります。
従いまして、制度導入にあたっては一定の従業員数に達してから、制度の必要性と費用対効果を考慮して行うことです。
では「一定の従業員数」とはどのレベルになるのでしょうか。これは業種や職種によって異なると思います。私の個人的な見解としては従業員数100人に達したときに導入しても良いのではないかと思っています。人によっては10人でも必要という見解をもつコンサルタントもいますが、その程度の規模であれば人事評価制度というほど大袈裟なものでなくてもいいと思います。「同じ仕事をしているAさんと比べて、なぜ私は賃金が少ないのか。」が説明できるようにしておけば十分なのではないでしょうか。
もちろん、100人の規模であっても上記のような説明ができれば問題はないといえますが、さすがにこの人数を超えてくると社長の目も行き届かなくなり、職場の上長に従業員の働きぶりを評価してもらわざるを得なくなると思います。そのときにどの職場でも統一的な基準にもとづいて評価できるようにする必要がありますから、人事評価制度を整備しておくとよいと思います。
なお、人事評価制度は評価の結果にもとづいて
その従業員が「自分がこの仕事を遂行する上で何が足りなかったのか。」を気づかせて、行動変化を促すことが重要な目的でもあります。
単に結果を評価するにとどまらないこともお忘れなく。
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