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No.123話:世代間の意思疎通には、伝え方の工夫が必要です。

最近、テレビ、ラジオ、雑誌などで「昭和」の時代の出来事や風習、使われていた言葉を題材にした特集が組まれていることを目にすることが多くなりました。私のような「昭和」に生まれて、人生の半分近くを「昭和」で生きた人間には常識的なことばかりですが、「Z世代」と呼ばれる最近の若い世代には「何のこと?」というものが多いようです。

このように、ある世代では共有している言葉や風習も世代が違うと、全く意味不明で通じないということは今に始まったことではありません。言葉や風習などの違いは価値観の相違に発展して、他の世代を相容れないものとしてとらえる風潮はいつの時代にも存在しているようです。古代エジプトの記録の中にも「最近の若い者は困ったものだ。」という記述が残っているのですから、古来より世代間の「価値観の相違」はあったようですね。とはいえ世代それぞれの「価値観」は「相違」があっても、尊重されるべきものですから「違いがある」ということを「知る」に留めて、どちらかの「価値観」を強要するということは避けるようにして欲しいものです。

方で、問題として認識しておくべきことは、世代間で言葉や風習などが異なることで生じる「意思の不疎通」の弊害です。近隣住民の些細な会話での行き違いであれば大きな問題に発展しませんが、職場であれば顧客や取引先、ひいては会社に大きな損害を招きかねませんから看過できることではありません。例えば、急ぎで今日中に仕上げて欲しい見積書を上司が「この見積書を『なるはや』で」と伝えて、世代の若い部下が「なるはや」は「なるべく早く」までは理解できたが、それを「2、3日内」と判断して、上司の求めるリミットに間に合わないという事態です。

上記のエピソードを見ると多くの方が「部下が具体的な期限を確認しなかったことに問題がある。」と感じるようです。確かにその通りなのですが、果たして部下の確認不足だけが問題なのでしょうか。上司の確認漏れは問題ではなかったのでしょうか。

実は若い世代の方は年配の世代の言葉や風習に興味がある方が多いと言われています。冒頭の「昭和」をテーマとしたテレビ番組や書籍に人気があるということも、このような若い世代の志向が背景にあるようです。また、最近の若い方は年代の違う上司や先輩がどんな考え方を持っているかを知るために、仕事の後での食事会(いわゆる「飲み会」)に参加することに積極的であるとも言われています。逆に年配世代の方が「食事中の不用意な会話でパワハラ、セクハラといわれたくない。」という理由で食事会に消極的であると言われていますが、これはいかがなものかと思います。年配世代こそがもっと積極的に若い世代とのコミュニケーションを通じて、世代間に横たわる「意思の不疎通」を解消すべきではないでしょうか。

若い世代から驚きや笑いがあっても自分の価値観を押し付けず、「自分たちの若い頃は、こんなことが常識だった。古いかもしれないが、こういう考え方で自分は今も仕事をしている。」と正直に伝えればいいです。無理に若い世代に合わせたりせず、一般的な言葉で仕事の指示をして、伝わっているかを必要に応じて確認すればいいのです。大切なことは「意思疎通」を図ることだと思います。

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