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No.137話:今は「何をするか」ではなく「何をやめるか」のときでは。

近年の日本企業の業績停滞の長期化のなか、テレビ、新聞、経済雑誌といったメディアで取り上げられている言葉が「イノベーション」です。米国の企業のように世の中で評価されるような新しい事業や商品を市場に生み出し、圧倒的なシェアを確保して大きな利益を生み出すというものです。そのため、日本企業においても「商品戦略室」や「マーケット開拓部」といった部門を立ち上げて、新しい事業や商品の開発に取り組むようになりました。この動きは極めて重要であり、中小企業においても積極的に組織構築を始めるようになりました。

 

しかし、忘れてならないことがあります。それはこのコラムで何度も申し上げているように、規模の大小にかかわらず日本国内は「労働力不足」の状態にあるということです。そのような中において、新規部門を立ち上げるために、新規人材を採用して配属することは非常に難しいことになります。従って、「①既存部門から引き抜いて配属する。」「②既存部門の人材を兼務で配属する。」という手段を選ばざるを得なくなります。

 

しかしながら、「①既存部門から引き抜いて配属する。」場合、引き抜かれた部門は更なる人員不足となり、残った従業員に長時間労働といった労働負荷が重くのしかかることになりかねません。また、「②既存部門の人材を兼務で配属する。」場合は、兼務する従業員に大きな負担がかかることになります。いずれにしても、新規部門を立ち上げるには、既存部門への人員対策などの事前準備が不可欠ということになります。では、どのような対策が考えられるでしょうか。

 

まずもって、世の中が「労働力不足」ですから既存部門に対して、引き抜いた分の人員の補充をすることは困難です。なお且つ、既存部門に残った従業員に労働負荷が継続的にかかれば、「健康障害」という問題が発生します。そこまで行かずとも従業員自身が「こんな職場では耐えられない」と「転職」を選択し、その職場がますます「人員不足」になるという「負のスパイラル」に陥りかねません。

 

「では、どうするか。」ですが、まずもって「何をやめるか?」を考えて実行するということがポイントだと思います。これは従業員個人が抱える業務レベルではありません。従業員の業務内容を「断捨離」した程度では、「人員不足」を大幅に改善することは困難と思います。行うべきことは、会社レベルでの思い切った「断捨離」です。

 

「この商品を生産しても、大きな収益につながらない。」「このサービス事業には将来性はない。」「この資材は外部事業者に生産を委託したほうが効率的だ。」など、経営レベルでの「やめるべき事業は何か?」の判断です。事業の「断捨離」があってこそ初めて、新しい事業に振り向けることができる「資金・人材」といった会社資源が創出できると思います。バブル期のような「あれも、これも」できる現状ではありません。「何かを行うには、何かを捨てる。」ことが肝要ではないでしょうか。

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