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No.140話:身の丈以上の壁は、かえって逆効果になることを知っておきましょう。

課題の設定は従業員が能動的に仕事に取り組んでもらう上で必要です。その一方で課題の設定が、その従業員の能力を超えた不適切なものであると、「こんな目標は達成不可能だ。」と感じてしまい逆効果になります。目標設定は「すればいい」というものではなく、達成可能な範囲に留めることが大切です。

その昔、忍者の里では忍者に必要な跳躍力や知恵を育成するために、子供のころから自分が植えた苗木を飛び越えさせる訓練をしていたそうです。すなわち、苗木の高さの跳躍力を身につけるということが課題ということになります。最初は木もまだ低いのですが、飛ぶ側の子供も自分の身長くらいの高さの木を超えなければならず、それなりの跳躍力が必要になります。

そして、自身の成長とともに木も高くなり、優れた跳躍力だけでは飛び越えることはできなくなります。石や塀といった踏み台となるものを使うなど、飛び越えるための工夫を考えることが求められます。こういった成長に合わせて段階的に忍者に必要な、跳躍力の向上や飛び越える知識や知恵を身に着けて大人になり、実際の忍者としての仕事を始めるというわけです。

現代の社会人も同じく仕事を完結できる能力や知識を身に着けるために、新入社員のときから指導教育を職場で受けます。当然、そこでは新入社員の能力に適した課題を与え、それをクリアすると次の課題に取り組むというように段階を踏んで、徐々に成長させていくことになります。

しかし、最近は「即戦力」を期待するあまり、職場でありがちなのが本人の能力に過ぎた課題を与えてしまうということです。上司としては高い目標を与えれば早く成長してくれるとの思いがあるのでしょうが、新入社員にとって「高すぎる壁」はかえって「こりゃ自分には無理だ。」と、課題に取り組む気持ちさえも失いかねないことになります。こうなると明らかに逆効果です。

もちろん、低すぎる課題は容易に達成できてしまうため、新入社員の成長につながりませんから好ましくありません。しかし、高すぎる課題も前述の通り彼らの「やる気」を萎えさせることになります。従いまして、「少し高い」程度が課題としては適しているということになります。とはいうものの、この「少し高い」程度が設定する側にとっては実に難しいのですが。

いずれにしても、一昔前の古い根性論で根拠もなく「高すぎる壁」を新入社員に設定することは、本人の成長のためには避けるべきです。また、「少し高い」程度の課題設定についても、課題の持つ意味や達成のための工夫やヒントを提供してあげる必要があります。そして、新入社員は課題を達成して自信を持ち、次のステップに移る能力を身に着けて成長するということになります。

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