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No.145話:解雇トラブルには金銭解決は想定しておくべき。

「会社の金品を横領する。」「無断欠勤、遅刻が多い。」あるいは「仕事中に同僚や取引先に暴行した。」などの理由で解雇となった場合であれば、「不当解雇だ」といって従業員とトラブルになることはほとんどありません。(稀に「解雇は厳しすぎる。」といった不服を申し立てる従業員もいますが。)

一方で「期待した能力が発揮できていない。」「ミスが多くて仕事を任せられない。」など、いわゆるローパフォーマー従業員を解雇する場合は、彼らとのトラブルは避けられないと思って下さい。とはいうものの、実際には「正当な理由による解雇だから、トラブルになるわけがない。」と、トラブルに発展することを想定していない会社が意外と多いのです。

解雇された従業員にしてみれば、解雇されたこと自体が不名誉なこととして、「プライドを傷つけられた。」と怒り心頭に達するのは無理のないことと思います。ましてや、解雇の理由も具体性がない単なる「能力不足」だけでは納得できるわけがありません。

そして「無遅刻、無欠勤で勤務してきた。『ミスが多くて、仕事が遅い。』と注意を受けることはあったが、『こうすれば仕事の効率が上がる。』といった指導教育は一切受けていない。自分なりに工夫をしてミスをなくし、早く仕事を処理できるように工夫はしてきたつもり。なのに、いきなり解雇されるなんて心外だ。」と従業員から言われれば、解雇せざるを得ない「能力不足」であったことを具体的に証明する必要が会社側にあります。

しかしながら、冒頭申し上げたようにこの段階に至ってから右往左往する会社が多いのです。これではトラブルを想定して理論武装した上で、従業員の「解雇に踏み切った」とは言えずあまりにもお粗末です。

「解雇に至るような『能力不足』とは具体的にどのようなものなのか。」という従業員からの問いかけに、「あのときに会社に損害が生じる、このような仕事上の重大なミスをした。(具体的な日を提示して)何度か指導と再発防止の為の教育を講じたが、それでも先日再び同じミスをしたために社内で協議した結果、我社での雇用継続は難しいと判断した。」と回答できるように会社は準備しておくべきなのです。

そして、会社はもう一つ「トラブル解決の落としどころ」も想定しておくことが重要です。従業員との労務トラブルは一つ間違えると早期解決の糸口を見失い、双方が意固地になり長期化し泥沼化します。これはお互いにとって不幸なことですから避けるべきです。そのためには「あの従業員にはビタ一文も払わないぞ。」と強硬な姿勢にならず、経済的強者である会社側がまず、歩み寄る姿勢をもって金銭解決も視野にいれて早期解決に向けて柔軟に対応すべきだと思います。

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