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No.146話:「愛社精神」を育むことは決して無意味ではないと思います。

「雇用の流動化」がますます進んでいき同じ会社を終身で働かなくなれば、労働者はかつてのような「愛社精神」を持つことは無くなるのでしょうか。確かに新卒で入社して定年までに一つの会社に雇用され続けていれば、労働者はその会社に愛着を感じ特に命じられるでもなく「愛社精神」を持つと思います。

一方で、5年から10年という短い期間で転職を繰り返す労働者の場合はどうでしょうか。程度の差はあるかもしれませんが、私は同じようにそれぞれの会社に対して愛着を持つと思います。例え在籍期間が3年程度であったとしても「愛社精神」というものは意識するのではないでしょうか。

もちろん在籍していた会社がとんでもなくブラック企業で、在職中に酷い仕打ちを上司や同僚から受けているのであれば別です。しかし、普通に就業して同僚とともに様々な嬉しい経験、苦い体験をしているはずですから、通常はその会社に対して少なからず愛着がわくのが当たり前だと思います。

「雇用の流動化の世の中がきているのに、『愛社精神』なんて古い。」という方もいます。また、「どうせ数年で転職するのだから、労働者に『愛社精神』を求めても意味がない。」と無関心な方もいます。しかし、本当に「以前に勤めていた会社が、経営者が、同僚が好きだった。」と思ってもらえることが無意味なのでしょうか。

「この事業の広告については、以前私が在籍していた会社が対応できると思います。仕事が丁寧な会社なので信頼できると思いますよ。」「新しい製品のこの部品は、この会社(以前勤めていた会社)であればすぐに用意できると思います。」といったマッチングにつながることや、あるいは「このチラシに掲載されているレトルト食品、私が前にいた会社で作っているのですが、こういう特殊な製法で作っているのでとても美味しいですよ。」という商品PRにつながると思います。したがって、これまでに在籍していた会社に愛着を持つことは、ムダでも無意味でもないのではないでしょう。

このような理由から、たとえ雇用の流動化が進展しても、「どうぜ数年で転職するのだから」とドライに考えず、労働者に対して自分の会社を好きになってもらえるように積極的に行うべきだと思います。

すなわち、在職中は「居心地の良い」明るい職場と同僚間のコミュニケーションが活発で打ち解けた雰囲気を心掛けるようにすることです。また、労働者が転職する際には「わだかまり」を残さず、「ああ、この会社、本当にいい会社だったなあ」と思ってもらえるように気持よく送り出してあげることです。そのことはやがて、あなたの会社にいい結果をもたらすのですから。

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