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No.149話:会社が困難なときこそ、従業員は社長の生の言葉が欲しいのです。

会社の経営が順調に進んでいる通常の状態の場合は、ことさら社長が直接従業員に言葉を投げかける必要はないと思います。各部署の管理職を通じて自分のメッセージを伝えてもらえば、何ら支障なく事業は進んでいくものです。しかし、会社が非常事態の場合はいかがでしょうか。間接的に管理職から社長である貴方の言葉を伝えるだけで足りるのでしょうか。

例えば、またとないチャンスが巡り、ビッグビジネスや経験のないビジネスに経営者として「挑戦してみたい。」と思う場面が到来したとします。そのとき、従業員に通常より多くの時間外労働や休日出勤の協力を求める必要があれば、通常通り管理職から伝えるのではなく社長からその目的、背景を伝える方が従業員の「よし、頑張って残業をやるぞ!」という気持ちを持ってもらえるのではないでしょうか。

あるいは、先年の「新型コロナウイルス」非常事態宣言下のように思いがけない事態におちいり、経営環境に大きな影響が出たため従業員に「賞与の支給見送り」や「自宅待機による給与の減少」を強いる場面があるかもしれません。このような事態も管理職を通じてのメッセージよりも社長の生の言葉の方が、その意図や申し訳なさが伝わると思います。そして、従業員の多くも「社長が本当に困っている。その社長が直接、我々にお願いしているのだから仕方がない。協力しよう。」と感じてくれるのではないでしょうか。

規模の小さな会社であればいざ知らず、50人を超えるような規模の会社であれば、確かに日頃から全てを社長自らが従業員に直接、メッセージを伝える必要はないと思います。しかし、「ここぞ」という場面では会社のトップである社長が、自分の言葉で従業員にその思いを伝えなくてどうするのですか。管理職に社長のメッセージを代読させるような場合でも、生の声による効果と比較になりません。

「従業員数が多く、営業拠点も全国に散らばっているので直接のメッセージは困難」という理由も、ビデオメッセージやオンライン会議が可能となった今日では理由になりません。「自分は話しベタだから、かえって逆効果になる。」という方もいますが、話しベタであっても従業員は「社長から直接、説明して欲しい。」と思っています。また、社長自身がメッセージを伝えなかったことで、従業員の理解が乏しくなり、効果的な協力が得られなかったということもあり得ます。そのときになって「あのとき、自分が直接話をしておけばよかった。」と思ってもあとの祭りです。

「賃金が増えます。」「臨時賞与が支給されます。」などの従業員にとって「良い話」は誰が伝えてもいいでしょう。しかし、「賃金が下がる。」「賞与が支給できない。」「労働時間が増える。」といった従業員にとって「悪い話」ほど、社長が自らの言葉で伝えるべきです。社長である貴方の言葉はそれほど重みがあるということをお忘れなく。

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