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No.150話:従業員は「ワーク」と「ライフ」のバランスが理解できていますか。

「ワークライフバランス」が叫ばれるようになった昨今の職場事情ですが、あくまでも求められるのは「バランス」であって、過度な偏重ではありません。昭和のころは「ワーク」に生活が偏り過ぎ、古くは「仕事人間」や「モーレツ社員」という言葉もありました。私が社会人になったころもスタミナ飲料のCMコピーで、「24時間戦えますか。」というものがありましたね。(個人的には「戦えるわけないやろう。」と心の中でつぶやいてましたが。)

さて、21世紀に入って日本の世の中が劇的に変わり、若い人たちを中心に「仕事」優先の生活スタイルが見直されるようになりました。過労死や過労自殺が社会問題化される一方で、「仕事も大切だが、自分の人生生活も大切。」という価値観が尊重される社会の形成が求められるようになってきました。

2010年代後半からは政府の「働き方改革」により、「年次有給休暇の5日取得の義務化」や「時間外労働の上限設定による長時間労働解消」に向けた法整備も行われました。これらの取り組みにより旧態依然の「ワーク」偏重の働き方続ける企業は、若い人たちから敬遠され人手不足の労働市場において益々、苦戦を強いられています。

このようなことから近年、ようやく従業員の「ライフ」を尊重する機運が各企業に生まれてきているように思います。年次有給休暇の取得日数は年々向上してきていますし、男性の育児休業の取得率も向上しています。時間外労働時間や休日労働時間数が減少すれば、終業後のプライベートの時間が増え、仕事以外の仲間とのスポーツや飲食を楽しむ機会も増えてきます。「仕事もするけど、余暇に遊びも楽しんでいる。」という「リア充」な人が増えることは、本当の意味で「ワークライフバランス」の実現と言えると思います。

しかしながら、一方で過度に「ライフ」に偏る人も増えてきているように思います。極めて重要な仕事が目の間に迫っているにもかかわらず、「明日は『推し』のアイドルのコンサートなので、有給休暇を取ります。」というケースです。言われる会社側も「何をバカのことを言っているのだ。大切な仕事がまだ終わっていないだろう。」と注意するのもイマドキではないと考えて、有給休暇を認めてしまうようです。これは本当に「ワークライフバランス」と言えるのでしょうか。

会社に雇われている以上は雇用契約に基づいて、労務の提供を「誠実に」行う義務が労働者側にはあります。「ワークライフバランス」は確かに尊重されるべきですが、労務提供義務を放り出してまで「ライフ」を尊重させる必要はないと思います。(どうしても、あらゆる場面で自分の「ライフ」を尊重したいのであれば、「フリーランス」という生き方もある筈です。)問題は、わがままのように自分の人生観を主張して仕事をそっちのけにする従業員に、何も言えない経営者ではないでしょうか。何も「休暇をやめろ」という必要はありません。「仕事とのバランスも考えなさい。」は伝えるべきと思いますが、いかがでしょうか。

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