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No.152話:「ダイバーシティ」「インクルージョン」が必要である意味とは。

新卒一括採用がメインの時代には個性は違えども、同じようなレベルの能力、価値観をもった人材を企業が敢えて集めていたように思います。当時は突出した能力や特異な人生観や価値観をもった人材を会社に入れてしまうことで、企業文化が崩れてしまうことを恐れていたのではないでしょうか。このような採用方法は「どこを取り出しても同じ顔ぶれ(人材)」という意味で、「金太郎飴」と揶揄されることもありましたが、コーポレートガバナンスの観点からは上手く機能していました。これまでは。

しかしながら、21世紀に入ってから経済のグローバル化が進み、日本企業の世界市場での競争力の低下が顕在化するようになりました。かつてのソニーの「ウォークマン」のようなヒット商品が日本から世に出ることが無くなって久しく、そろそろ日本企業も「このままではいけない」と感じるようになってきたということです。

このような情勢下で昨今、必要性が問われるようになったのが人材の「ダイバーシティ(多様性)」です。数年前ですとこの「ダイバーシティ」はグローバリズムの観点から国籍、人種の多様性を指すものととらえられがちでした。しかし、近年は本来の意味での「ダイバーシティ」の観点で語られるようになったと思います。すなわち、個人の「人生や仕事に対する価値観の多様性」、あるいは「仕事の経験や知識、スキルの多様性」といったものでしょうか。

まさに日本企業においては人材の採用スタイルの変革期に突入していると思います。今までのように、同じ能力、スキルをもった人材をジョブローテーションにより企業内で育成し成果を求めることを諦め、「ダイバーシティ」な人材による、以前では想像もつかないようなイノベーティブな商品やサービスを生み出していこうという目論見です。

この日本企業における人材の「ダイバーシティ」への舵取りについては、今や大きな流れとなっています。成果につながるには少し時間がかかるかもしれませんが、多様な人材を取り込むことで組織に面白い化学反応が起きることが大いに期待されています。ただし、「ダイバーシティ」が進展するには条件があります。それは日本企業に「ダイバーシティ」人材を受け入れる環境が整っていることです。

折角、採用した「ダイバーシティ」人材を職場の同僚が「自分たちと違う。変わった奴だ。しかし、会社が採用した以上は一緒に仕事はするが距離は置こう。」と、面従腹背で本心では受け入れを拒絶しては意味がありません。会社も職場も「ダイバーシティ」人材を大切な人材として物心両面で受け入れる、すなわち「インクルージョン」する環境を整えることが極めて不可欠であるということです。人材の「ダイバーシティ」は始まったばかりです。「ダイバーシティ」の成否は「インクルージョン」次第です。従いまして「ダイバーシティはインクルージョンとセットで考える。」これが基本であると思います。

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