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No.153話:専門家やコンサルタントの意見は「参考」でしかありません。
2023.05.31
経営者として事業運営にあたって様々な課題に直面していることと思います。そのような時は他の経営メンバーや幹部従業員の協力を得ながら、その解決にあたっているのではないでしょうか。一方で、時には会社のスタッフの知識や経験では手に負えない難易度の高い問題に遭遇することもあります。このような場合はその問題に対して高い知識や経験をもった専門家やコンサルタントに相談することがあるのではないでしょうか。
一口に専門家といっても国家資格を有する弁護士や税理士といった「士業(サムライギョウ)」と言われる専門家もいれば、国家資格ではないものの、ある事案に対しての深い知識と経験、あるいは技術を有するコンサルタントと呼ばれる人たちもいます。
彼らは経営者が直面する課題を共有することで、ともに悩み、考え、そして知恵を絞って解決に向けた方策を組み立て、提案し、そして多くの場面で実際に解決に導いてくれている経営者にとって頼りになる、心強い存在であると思います。
専門家やコンサルタントを上手く活用して、会社の事業を大きく発展させている経営者が増えていることも昨今の情勢のように思います。
しかし、ご留意いただきたいのは専門家やコンサルタントは、経営者にとっての問題解決の「助言者(メンター)」でしかないということです。彼らは経営者に対して、解決策をいくつか提案しているにすぎず、最終的に解決策を選択し実行する決断をするのは経営者であることに変わりはありません。
時には専門家やコンサルタントから提案のあった対応策に経営者として「この対応策では、この問題は解決できないのではないか。」あるいは「解決することは可能だが、この策では予想以上の損失が生じるので選択するのはリスキーだ。」と感じることもある筈です。それは当然のことではないでしょうか。何故なら、専門家やコンサルタントは経営者から提供のあった情報によって解決策を立案しているのですから、知り得ない情報によって問題解決が阻害されることまで想定していません。
経営者としては「解決策は提案して欲しい。ただし、情報については専門家の先生にはここまでしか提供できない。」ということは当然あり得ますから専門家やコンサルタントが提案する解決策に限界が生じることもあります。
だからこそ、経営者には解決策を選択するのか、あるいは新たな情報を提供して解決策の修正を依頼するのかを判断する責任があるのです。
従って、「気になる箇所があるが折角、専門家の先生が知恵を絞って立案した対応策だから、このとおりに実行しよう。」という決断をすることは避けるべきです。選択した結果に対して責任を負うのは解決策の提案者ではなく会社の経営者です。専門家やコンサルタントの意見、提案は経営者が方針を決定する上での「参考」でしかありませんよ。
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