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No.159話:「機が熟して」こそ、初めて人材が活きるもの。

実がまだ青いままの果実が強風で運悪く地面に落下しても、青い実から種が芽吹いてその場所で根付くことはありません。かわいそうですが青い実では野生動物は見向きもしませんから、ただ腐敗してその土地の肥やしになるだけです。やはり樹木から養分を吸収し、太陽の光を浴びて成熟した実であるからこそ、その実の中で成長した種子が芽を出し、落ちたところに根を伸ばして樹木となりえるのです。

人間においても同じことで、幼年期、少年期、青年期を経て成人していきます。幼年期、少年期の人間が社会に出たところで、青い果実が地に落ちても芽も出ず、根付くこともないように何もなしえないのは当然です。青年期において社会に出ていくことはありますが、周囲の大人のサポートが欠かせません。

では、青年期を終えたばかりの成人はどうでしょうか。「成人しているのだから成熟した果実と同様に社会において芽吹いて、自らしっかりと根付いて当然だ。」といったところでしょうか。しかし、植物とは違い人間は時間軸で成長の度合いを測れるほど単純ではないように思います。

年齢的には学校も卒業し立派な成人ではあるものの、中身は「青い果実」のごとく成長しきれていない人材もいます。人間は個体の成長度合いが植物以上に大きいものです。早熟した人材もいれば、青年あるいは少年少女の気質を残したままの人材もいます。同じ年齢だからと言って「十把ひとからげ」に同じように扱えないのが、「成人に成り立て」人材の難しいところです。

「Aさんはこの業務を期待通りに処理できた。同期のBさんも問題なく処理できるだろう。」という使用者側の予測は当然といえば当然です。しかし、必ずしもBさんがAさんと同レベルまで成熟しているとは限りません。まだ、「青い果実」の状態である可能性もあります。そうであれば、Bさんは期待通りの結果を残せないことになります。

すなわち、この時期の人材は「熟した果実」と「青い果実」が混在しているということです。「青い果実」は食べてみたところで、「苦い、渋い、固い、酸っぱい」だけで味わうには時季尚早です成長しきれていない人材に身の丈以上の職責を与えても結果を残せません。何もできずに腐ってしまいかねないということです。

企業サイドとしては、「青い果実」の人材を可能な限り早期に見極めて、無理をさせないことが大切です。「青い果実」は少し待っていただければ必ず「熟した果実」になります。その時こそ、満を持して本当のお仕事をしていただきましょう。

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