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No.161話:労働環境の改善を今やらなくて、いつやるのですか。

このコラムで何度も取り上げていますが、現在国内では業種に関わらず深刻な人員不足となっています。とりわけ、若年人材が足らず、事業の継続的な運営を続けていくためにも将来の事業の担い手である若い人材の確保が喫緊の課題です。

このような中、若い人材の採用につながるように彼らにとっての魅力ある職場づくりとして、「時間外労働の削減」や「年次有給休暇の取得率の向上」などをご提案する機会が増えてきました。ワークライフバランスを重視する彼らにとって、「自分の生活(ライフ)」が尊重される職場は有力な選択対象の一つとなるためです。

人材不足という現状を理解していただく中にあって、当方の上記の提案に対して「ぜひとも取り組みましょう」と前向きに考える経営者もあれば、「取り組みたいのはやまやまだけれど、今の人員数ではとても無理だ。従業員が増えたら、トライしたい。」と躊躇する経営者もいます。

目の前の深刻な人員不足により、「時間外労働の削減」や「年次有給休暇の取得率の向上」といった提案に、「いずれは」や「そのうちに」と答えるお気持ちは重々理解できます。しかし、若い人材の採用は会社にとって将来を見据えた「焦眉の急」といえる喫緊の課題です。「いずれは」や「そのうちに」では済まされない問題です。

残念ながら魅力を感じない職場には若い人材は募集しても来てくれません。それだけはなく、今いる若い人材も「いずれはこの会社よりも環境が整備された会社に転職しよう。」と思われてしまうリスクを抱えることになります。すなわち人員不足という状況が改善する機会を失うどころか悪化することになりかねないということです。

厳しい言い方ですが「いずれは」「そのうちに」は「やらない」と同意語です。今、取り組むことは、「時間外労働の削減」や「年次有給休暇の取得率の向上」といった若い人材確保のための取り組みを、「どうすれば、できるのか。」を考えることです。

「時間外労働を現状の月30時間から10時間に削減する。」そのためには、「営業時間を1時間短縮する。」という判断が迫られるかもしれません。「年次有給休暇の取得率の向上」には、パート・アルバイトの短時間労働者をあえて増やす(これはこれでハードルが高いのですが)ことにも取り組む必要があるかもしれません。

その昔、アップル社のスティーブ・ジョブズはiPhoneを開発した時に、技術者を目の前に水槽に試作品を水没させ、泡が上がるのを見せて「泡の分、まだ小型化できる。」とさらなる小型軽量化を求めたそうです大きな変革にはまさにコペルニクス的な発想の転換が求められます。「できない」と考えたときには「できない」ものです。「やってみせるぞ」と考えて取り組むことに尽きると思います。

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