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No.165話:評価はあくまでも能力と成果で判断するものです。

「Aさんはいつも明るくて、話をしていると楽しくなる。」「Bさんはハキハキとしゃべり、気持ちがいい。」確かに接していて愉快な気持ちにしてくれる部下や自分の趣味・嗜好が似ていて相性の合う部下は「可愛い」と感じ、他の部下よりも面倒を見たくなります。

経営者であるあなたと部下である従業員との相性は良いに越したことはありませんが、それだけを重視していると本来求めるべきその従業員の職務遂行能力に対する評価を見誤ることがあります。明るい性格であろうが、快活な人物であろうが、または「趣味が同じで話があう。食事をしても楽しくて仕方がない。」という関係であろうが、与えられた仕事ができなければ従業員としては困りものです。

一方で、性格が暗く、同僚と協調することが苦手で経営者の自分とは性格が真逆で、「話をしていても楽しくない。しかし、与えられた仕事はしっかりと履行する。それどころか、平均以上の成果を上げてくれる。それどころか斬新なアイデアを提案して会社に大きな収益をもたらす。」このような本来、会社に必要な人材をただ「自分と相性が悪い」「暗くて気持ち悪い。嫌いだ」という個人的な感情で不当な評価を下していないでしょうか。

「個人的な感情で従業員を評価する経営者なんかいるわけがない。」と驚かれる方もいるかもしれませんが、その驚くような人材評価をする経営者が少なからずいます。確かに職場を明るく楽しくしてくれる人材は必要と思います。経営者の気持ちに合わせて受け答えをしてくれ、事業経営にポジティブに参加してくれる人材はいて欲しいものです。それでも「好き」だからという理由で、その人材の仕事の成果や職務遂行能力を過大に評価し処遇をしてはいけません。

そのような誤った評価と処遇を続けていると従業員は仕事をそっちのけで経営者の顔色を窺い、「いかにしたら社長に好かれるか」ばかりに執心するようになります。仕事でミスをしても、会社に多大な損害を与えても「社長に気に入られている自分が泣きつけば、きっと穏便に取り計らってくれる。」とタカをくくって反省もせず、再発防止への業務改善も中途半端なものとなってしまいます。

会社は(経営者は)従業員の仕事の成果や職務遂行能力を冷静かつ客観的な指標で評価するということが基本中の基本です。もちろん、明るくて職場を楽しくする従業員も評価に値すべきですが、経営者のあなたと「相性がいい」とか「趣味・嗜好が同じで好きだ」ということは評価には関係のないことです。

「好き嫌い」という小学生レベルの感情で従業員を評価する経営者の会社は、残念ながら行きつくところは目に見えています。職場は明るくて楽しのだけれど、経営者に好かれないが故に評価の低い業績をけん引していた有為な人材が退職してしまい、その結果会社の事業としては一向に売り上げが伸びず、損失計上が続いた上に経営破綻の憂き目にあうということのないようにして欲しいものです。

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