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No.166話:インフォメーションとインテリジェンス。

インフォメーションとインテリジェンスはともに「情報」と和訳されることが多いようですが語意は全く違います。インフォメーションは外部から伝わってくる、何の加工もされていない「生の情報」と言われています。一方でインテリジェンスは「生の情報」であるインフォメーションに、受け取った側の知見や経験により整理され解釈が加えられた「加工された知識」と言われています。(この他、インフォメーションとインテリジェンスには様々な解釈があります。)

よく経営学で使われる「空・雨・傘」(空が曇ってきた。雨が降るかもしれない。傘を持っていこう。」という内容)の話で例えてみましょう。「空が曇ってきた」という情報(インフォメーション)に接し、自身の経験や知識により「雨が降る」という次に来る現象(リスク)の発生の仮説(インテリジェンス)をたてて、「傘を持っていく」という対策を講じるというのが一連の考察の流れとなります。

「空が曇ってきた」というのは情報(インフォメーション)ですが、「曇っているだけで現在は雨が降っていない」という判断で傘も持たずに外出することもあり得ます。しかし、外出中に雨が降ってくれば「濡れる」というリスクに遭遇することになります。

一方で「曇り空であれば、雨が降ることがある。」という知見や経験をもとに、「今日は雨が降る可能性がある」という知識(インテリジェンス)に昇華できれば、「傘を持っていく」という対策につながり、「雨に濡れる」というリスクを回避することができます。

これは労務管理においても同様です。例えば「Aという部署でこの2ヶ月で10%にあたる3名の従業員が立て続けに退職している。」という情報を受け取ったときのケースです。「10%の欠員では現場の負担が大きいので、直ちに求人を行い人員の補充をする。」では、情報をインフォメーションとして取り扱っているだけの対応になります。「2ヶ月という短い期間で特定の部署において10%の従業員が退職しているということは、何か職場で問題が生じているのではないか。」と仮説を立てて、職場の従業員から原因となるような事態が生じていないかヒアリングを実施する行動に移すと、「退職者が急増している」という情報がインテリジェンスとなるということです。

ヒアリングの結果により「異動してきた管理職のパワハラが酷く、ストレスに感じた従業員が退職した。」ということであれば、いくら求人を行って人員を補充しても退職者の発生は止まらないかもしれません。つまり、対策が的を得てないということです。一方で当該管理職に対して指導教育といった対策を講じて、職場でのパワハラを解消できればこれ以上退職者が出ないようにすることができます。このように労務管理においても、知りえた情報をインフォメーションのままにせずに、インテリジェンスに変えることが極めて重要であるということになります。

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