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No.171話:従業員のモチベーションが急速に下がる瞬間とは。

経営者である貴方がもし、従業員の立場であればどのようなときに「働き続ける」ためのモチベーションが最も低下するでしょうか。「解雇を通告される。」「退職を勧告される。」などは雇用関係が消滅してしまうため、その会社に「働き続ける」という以前の問題になりますから対象外としてください。

では「賃金が下がる。」「賞与が不支給になる。」といった労働条件を下げられる場合はどうでしょう。これは随分と「働き続ける」ためのモチベーションが下がる事案だと思います。しかし、経営者が「本当に申し訳ない。思わぬ事態に遭遇して会社の経営が厳しい状態だ。1年か2年、このような状態になるが回復すれば直ちに元の水準に戻すので何とか協力してほしい。」と真摯に実情を説明して、理解を求めてきたらどうでしょうか。「しかたない。我慢しよう。」と思いますし、状況によっては「もっと頑張って早く経営が回復するように協力しよう。」と逆にモチベーションが上がることもあり得ます。従って、「賃金が下がる。」などの事態で必ずしも「モチベーションが下がる」とは限らないのではないでしょうか。

つぎに「退職金が減額される。」という状況ではいかがでしょうか。こちらも相当にモチベーションが下がる事態になるのではないでしょうか。しかも、賃金や賞与と違い、一度引き下げられると再び元の水準に戻ることはありませんから、従業員には確かに「痛い」話です。とはいうものの、若い世代には退職金は遠い未来のことですし、昨今の「退職金よりも今すぐ支給される賃金が重要。」が主流となっています。従って、退職金が就職先を決める大きなファクターにはなりませんから、「退職金が減額される。」からといって「モチベーションが下がる。」ことは限定的と考えます。

では、職場において次のような上司の言動があるといかがでしょうか。「キミも随分と業務遂行能力もついてきたようだ。そろそろ、単独で仕事をやってみてくれ。」と言いながら、数日後に「なんだよ。任せていた仕事はまだ、ここまでしかできていないのか。変われ。俺がやる。」と言われた場合です。「やっと仕事を任せてもらえるようになった。頑張るぞ。」と意気揚々と仕事に取り組んでいた矢先に、数日も経たない内に「期待外れだ。」といって任せてもらった仕事を取り上げられるのですから、その従業員のプライドは相当傷ついているはずです。モチベーションが下がるのは当然ではないでしょうか。

後日に「とりあえず、別の仕事にトライしてみようか。」と上司にいわれても、すぐには「よし、もう一度頑張るぞ。」という気持ちにはならないと思います。むしろ、「また、後になってこの仕事も取り上げられるのでは。」と疑心暗鬼になって、クオリティの高い仕事をすることはできないでしょう。

人間は「期待されていない。」「信頼されていない。」「評価されていない。」と感じたときに著しくモチベーションを下げます。経営者の些細なひと言は、「賃金が下がる。」以上の影響を職場に与えます。「やる気にさせる。」ことはもちろんですが、「やる気を削ぐ。」ような言動は特に注意をして従業員と接してほしいものです。

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