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No.172話:従業員に経営者への「想い」を強要していませんか。

「わが社は小さな会社で、従業員は社歴も長く家族のような存在だ。」「先代の社長から従業員は子供のようなもの。大切にするように言われている。」従業員との関係が良好な会社の経営者から頂く言葉です。このような関係が築けている会社は、労務管理においても大きなトラブルもなく進んでいると思います。まさに理想的な労使関係ではないでしょうか。

会社の経営者がこのような思いで従業員と接することで、労使間の信頼関係は強固になりますし、従業員にとっても安心して働くことができます。そのことは「明るい、やりがいのある職場」につながり、ひいては生産性の高いポジティブな従業員を形成することになります。従って、経営者が「従業員は家族」と思って、大切に扱うことには経営上も、労務管理上も大賛成です。

しかしながら、これはあくまでも「経営者の想い」だけにとどめた方が良いように思います。水を差すようですが、「従業員は家族」の「想い」を経営者のみならず、従業員にも求めることはいかがかと思います。もちろん、従業員自らが強制されずに「この会社は経営者と従業員が家族のようで楽しい」と感じることは望むべくもありません。しかしながら、経営者が「自分は従業員を家族のように思っている。だから従業員も経営者と他の従業員を家族のように思って当然。」と「想い」を強要することはあってはならないと思います。

経営者と従業員は立場が違います。たとえ従業員が経営者と同じように「従業員は家族」との想いを抱いていたとしても、家庭の事情で会社を退職して家業を継ぐことや、経済面、健康面などの理由で転職せざるを得ないこともあります。そのときになって経営者が「家族だと思っていたのに、裏切られた。」と憤るのはいかがなものでしょうか。

また、会社の事業実態が不調で賞与が支給できない事態となったときに、経営者が「会社の経営状況を従業員は認識している。家族なのだから賞与の不支給にも従業員は理解し、協力してくれるはずだ。」と信じているにもかかわらず、従業員から不満の声が上がったときに「家族なのに会社の苦しい状況を理解してくれないなんてひどい。」と経営者が感じることも違うようと思います。

あるいは従業員が経営者の「従業員は家族」という「想い」に共感していないこともあります。そのようは従業員はあなたの会社よりも条件の良い会社から誘いがあれば、何のためらいもなく転職することもあり得ます。そのような事態を前に経営者がいくら「家族を裏切るなんて許せない。退職は認めない。」といっても、その従業員を引きとどめることはできません。

従業員に「相思相愛」を求めずに、「従業員は家族」は経営者の「片想い」でよいと思います。「片想い」を続ければ、伝わる従業員には伝わって同じように「経営者と同僚は家族」との想いになると思います。それだけで十分ではないでしょうか。

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