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No.179話:職場の創意工夫だけでは長時間労働の解消は困難です。

人員不足などの経営事情により、恒常的に従業員の長時間労働が続いており、その解消を事業課題としている経営者のみなさんから、その手段についてご相談をいただくことがあります。

どの経営者も「従業員が時間外労働をしなくて良い状況にもっていきたい。」「定時に仕事を終わってもらって、プライベートの時間を楽しめるようにしたい。」という想いを持って長時間労働の解消に取り組んでいるようです。これはひとえに経営者が従業員の就業環境の改善を第一に考えるようになっていることの表れであり、それによって魅力ある職場を維持し現在の従業員の確保と優秀な人材の流入を企図しているためでもあります。

では、長時間労働の解消に向けてどのような手段ができるでしょうか。一般には「時間外労働を現状の50%削減しよう。」「月の時間外労働を15時間以内にとどめるようにしよう。」という数値目標を掲げて、職場でその達成を実現させるというものがあります。あるいは「就業時間内に業務が終了できるように効率を上げる。」「明日に回せる仕事は明日に行うこと。」といった従業員の行動変容を求めるというもの。そして、「毎週水曜日はノー残業デー」「管理職の巡回による事前申請のない残業実施者の職場からの強制退出。」といった実力行使といったことが行われているのではないでしょうか。

これらには確かに結果がでているものもあります。しかし、多くは思ったような結果が得られていない場合や、取り組みが形骸化し途中で頓挫しています。その理由のひとつは、いずれも実行や状況への対応を職場に任せたり、あるいは従業員に任せたりしていることにあるように思います。当然、従業員からは「目の前に仕事があるからどうしても時間が必要になる。」という不満の声をいただきます。すなわち、仕事の量が変わらない以上は職場や従業員の効率向上でコントロールするには限界があるということです。

まずもって、ご認識いただきたいのは仕事の量は職場や従業員レベルでは如何ともしがたいものであり、経営者でしかコントロールできないものということです。単純に言えば恒常的に発生する長時間労働を解消したいのであれば、「従業員数を増やす」か「仕事の量を減らす」かのいずれしかありません。現状の世の中の人員不足を考慮すれば従業員数を劇的に増やすことは、残念ながらほとんど不可能と言わざるを得ません。

そうなれば、経営者としてできることは限られます。すなわち、「仕事の量を減らす」ということです。製造業であれば受注を制限し、サービス業であれば営業時間を縮小するといったことが考えられます。しかし、それ以前に日々の業務の中に「減らすことができる」仕事があるかも知れません。「現状、従業員に集計させている統計表は本当に必要なのか。」「日報は毎日、提出させる意味があるのか。」といったことを再度検証してみることも必要なのではないでしょうか。些細な業務であっても取りやめることで従業員にとっての負担軽減になります。まずは会社が命じている業務の再検証から取り掛かられてはいかがでしょうか。

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